雪国秋田を彩るプロジェクションマッピングプロジェクト「なまはげ~いろんな角度から知って感じて~」

終始笑顔で取材を受けてくれた
アキタプロジェクションマッピングチームのメンバー
(左から曽根さん、髙秀さん、村田さん)

 

取材する学生広報スタッフ(奥:斉藤)

 

イルミネーションとプロジェクションマッピングのコラボレーション

 

 私たち学生広報スタッフは令和元年12月17日(火)、オープニングセレモニーの投影を目前に控えたアキタプロジェクションマッピングチームの代表曽根悠司さん(大学院理工科学研究科1年次)、髙秀千冬さん(理工学部2年次)、村田千穂さん(理工学部1年次)に取材しました。

 秋田大学の正門を入るとすぐ目の前に見えるのは、学生支援棟と附属中央図書館をつなぐ渡り廊下。その渡り廊下の窓ガラスに投影されるプロジェクションマッピングは、今や秋田大学の冬の風物詩となっています。今回のプロジェクションマッピングのテーマは、ユネスコ無形文化遺産に登録された秋田の名物である「なまはげ」。なまはげをテーマにしたのは、秋田大学に講演に来ていたエンターテイメント企業との会話の中で「『こわい』をコンセプトにしたら面白いと思う」という提案があり、秋田の怖いもの=「なまはげ」を連想し、構想を練っていったそうです。

 メンバーそれぞれが「なまはげ」を表現した映像を作成し、つなぎ合わせることによって一つの作品となりました。村田さんは2匹のなまはげと家主のやり取りを文字で表現し、映像の中に文字を組み込む際、文字ができるだけ見やすくなるように、文字を出す時間に考慮しながら制作し、髙秀さんは映像を制作する際に音声から平面の画像、立体のデータというように、映像の情報の次元をあげていくことを意識して制作したといいます。曽根さんは、なまはげの髪の毛や包丁をドット絵風(※)にすることでイラスト調の映像を制作し、その毛が馬のしっぽの毛を使って作られる過程を映像で表現するというように、なまはげの構成要素を盛り込んで表現したそうです。

 メンバーの皆さんは、映像を制作する際に、「なまはげ」のイメージをつかむことに悩んだといいます。そこで、実際になまはげの本場である男鹿市に直接足を運び、なまはげについての史料が存在するなまはげ館や男鹿真山伝承館を訪れ、なまはげの動画撮影や音声を録音して制作に生かしたそうです。
今回の投影は、投影場所となる渡り廊下の窓ガラスの形状を有効に活用できているか、メンバーそれぞれ考えた「なまはげ」をどう表現しているのかを注目すると面白いのではないかと語ってくれました。
 今後、上映されるプロジェクションマッピングの意気込みとして、村田さんは「最後まで足を止めて、観てほしい」。髙秀さんからは「いろんな想像を巡らせながら観てほしい」。そして、代表の曽根さんは、「なまはげをテーマにしたプロジェクションマッピングはほかにない唯一のもの。秋田にゆかりがない人も、たくさんの人に見てほしい」と語ってくれました。

 まさに、いろんな角度から知って感じたくなるような雪国秋田の魅力が詰まったプロジェクションマッピングに期待が膨らんだ今回の取材でした。

(※)ドット絵・・・主としてコンピューター上における画像の表現方法・作成方法の1つ
(取材:斉藤、松井 カメラ:松井)