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高校生のための研究者・研究内容紹介

理工学部

所属
(学科・コース・講座等)
教員名
(職名・氏名)
研究テーマ
研究内容
生命科学科・生命科学コース 教授・伊藤 英晃 タンパク質がもつ様々な性質を医療に活かす研究 生命の設計図である遺伝子DNA、及び最終生成物であるタンパク質の構造や生理機能を中心に解析しています。特に、各種疾患の発症機構を分子レベルで解析する研究をしています。現在のテーマは分子シャペロンによるタンパク質の高次構造形成機構と生理機能獲得機構の解析、抗がん剤等の各種薬剤の薬理作用機構の解析、がん幹細胞標的分子の解析、及び発酵食品由来生理機能分子の解析を中心に研究しています。
生命科学科・生命科学コース 教授・涌井 秀樹 ヒトと病気について研究し医療に貢献する 人体の正常構造と機能、日本人に多い病気の特徴について、最新の動向を理解した上で、健康維持と病気に関するテーマで、広く研究を進めています。病気の研究では、特に血液・腎臓・膠原病を対象とし、新しい診断法の開発と治療薬の作用機序の研究を行っています。また、ヒトの病気の成り立ちを理解する上で、進化生物学の視点も重要であり、ヒトと魚類の解糖系酵素生化学的特性について、比較研究を行っています。
生命科学科・生命科学コース 教授・疋田 正喜
教授・久保田 広志
助教 ・田村 拓
遺伝子制御による病気の治療法の開発を目指した研究 我々は、様々な病気から身体を守っている免疫系を構成する多くの細胞群のうち、抗体を作る機能をもつBリンパ球の分化や活性化に重要な分子を発見し、その分子がどのように働いているのかを遺伝子工学の手法を用いて動物の個体レベルで明らかにしようとしています。また、共焦点レーザー顕微鏡などで細胞内のタンパク質を可視化することで、様々な疾患の原因となる異常タンパク質の分解機構を明らかにしたいと考えています。
生命科学科・生命科学コース 教授・藤原 憲秀
准教授・秋葉 宇一
講師・近藤 良彦
生命現象を制御する有機化合物の創成 生物機能の発現・観測・模倣を目指した有機化学的研究に取り組んでいます。具体的には、医薬品の種として期待される特異な生物活性を示す天然物の全合成と活性発現機序の解明、細胞の分子標的を特異的かつリアルタイムにその場観察する化学修飾電極の開発、超分子相互作用を利用した特異な機能をもつ非天然有機分子の創成とその構造・物性・生物学的研究を内容とします。
生命科学科・生命科学コース 教授・尾高 雅文
准教授・天辰 禎晃
講師・松村 洋寿
タンパク質の形と働きを知り、医療や産業に導く研究 タンパク質には、例えばヒトには10万種類が存在すると考えられ、様々な生命現象で主役を担っています。私達の研究室では、様々な病気の原因となるモノ、農作物の病害菌駆除や産業用触媒として役立つモノ、あるいは、ナノマテリアル材料となるモノなど、重要なタンパク質を選択し、それらの働き(機能)と形(構造)を分子レベルで明らかにすることで、医療技術の発展や環境に優しい社会の実現に貢献する研究を行っています。
物質科学科・応用化学コース 教授・寺境 光俊
講師・松本 和也
新規熱可塑性エラストマーの合成 熱可塑性エラストマーとはゴムのような弾力性と熱可塑性プラスチックの加工性を兼ね備えた材料で、ペンのグリップのゴムやサンダルの底などに使われている材料です。我々は分子レベルから高分子の構造をデザインし、合成して機能を測定しています。分岐高分子や自己修復材料など従来にはない新しい材料の開発も行っています。
物質科学科・応用化学コース 教授・寺境 光俊
講師・松本 和也
生分解性高分子の合成と生体分野への応用 ポリ乳酸などの生分解性高分子は自然界で加水分解されることから、環境に優しい高分子です。我々は生分解性高分子を生体内で無毒で吸収・分解されることに着目し、生体内に埋め込み可能な新しい生分解性高分子の開発を行っています。医学部との共同研究を行っており、材料界面が血液と接触した時の挙動や分子構造と加水分解特性について検討しています。
物質科学科・応用化学コース 教授・寺境 光俊
講師・松本 和也
新規希少金属回収剤の開発 パラジウムや白金、ロジウムは触媒や宝飾品などに用いられる希少で価値の高い金属であり、使用済み製品からのリサイクルが重要です。我々はこれらの希少金属を廃液から回収するための回収剤を分子レベルで設計・合成し、実用性の高い回収剤の開発を目指し、研究を行っています。
物質科学科・応用化学コース 准教授・加藤 純雄
講師・小笠原 正剛
特任助教・齊藤 寛治
環境浄化材料の開発 環境汚染物質、特に自動車から大気中に放出される排ガス中の有害物質を窒素、水などの無害な物質に変換する、「排ガス浄化触媒」の開発をしています。浄化触媒には白金、パラジウムなどの高価なレアメタルが用いられているため、これらの金属の使用量を減らしつつ、従来よりも浄化性能を高めるための新たな物質、材料の合成を行っています。
物質科学科・応用化学コース 准教授・加藤 純雄
講師・小笠原 正剛
特任助教・齊藤 寛治
機能性多孔質材料や有機無機複合体の調製と評価 私達の生活の中では様々な“多孔質材料”が使われておりますが、一般的な“珪藻土”は1マイクロメートル程度の細孔を持ち、“ゼオライト”の多くは1ナノメートル以下の細孔を持っています。秋田県でも採掘されているこれらの天然多孔質材料のほか、研究室で“新規に調製したメソポーラスマテリアル”の機能について評価しています。また、無機層状化合物と有機化合物から得られる“有機無機複合体”の“酸塩基触媒活性評価”を行っています。
物質科学科・応用化学コース 准教授・加藤 純雄
講師・小笠原 正剛
特任助教・齊藤 寛治
環境浄化・エネルギー製造プロセスを目指した光触媒の開発 光触媒は光エネルギーを利用して化学反応を促進することのできる材料です。太陽光、蛍光灯やLEDといったありふれた光源と固体光触媒を用いた有害物質の分解無害化や水からの水素生成は、環境浄化・クリーンなエネルギー製造プロセスとして注目を浴びています。当研究室では”層状構造” を有する光触媒を用いることにより、従来よりも高活性/高機能な光触媒を調製するユニークな手法を開発することを目指しています。
物質科学科・応用化学コース 教授・村上 賢治
助教・中村 彩乃
天然炭素資源からの水素製造触媒の開発 水素は酸素と反応させることでエネルギーを取り出すことができます。しかもこの反応では水しか生成しないので、クリーンなエネルギーと言うことができます。私たちは未利用の天然炭素資源である石炭(亜瀝青炭や褐炭)やバイオマス(樹木や稲わらなど)を高温で水蒸気と反応させると水素が発生することに注目し、水素を低温で効率良く製造するための安価な触媒の開発を行っています。
物質科学科・応用化学コース 教授・村上 賢治
助教・中村 彩乃
温度に応答する吸着剤の開発 高分子の中には水溶液中で低温では膨張、高温では収縮するものがあります。この高分子と吸着剤を複合させると、温度によって吸着挙動が変化する吸着剤を作ることができると期待されます。高分子と吸着剤を複合させる方法の開発および合成した複合体の吸着挙動の温度依存性の検討を行っています。
物質科学科・応用化学コース 教授・村上 賢治
助教・中村 彩乃
濁水処理のための新規薬剤の開発 発展途上国では、生活に利用している水がとても濁っていたり、有害な重金属イオンや細菌を含んでいることが問題とされています。私たちは、有害な金属イオンを除去した後、濁りの原因となる細かい土の粒子を集め、きれいな水と分離するための新しい薬剤の開発をしています。この薬剤は、放射性セシウムを含む濁水や大規模工事(新幹線用線路の建設など)で発生した汚濁水の処理への応用も考えています。
物質科学科・応用化学コース 教授・村上 賢治
助教・中村 彩乃
バイオマスから液体燃料をつくるための触媒開発 二酸化炭素の排出を抑えるために、近年、再生可能な植物由来の有機性資源(バイオマス)を原料にした燃料が注目されています。このバイオマスを自動車などの燃料に利用するためには、液体にする必要がありますが、高温・高圧条件や貴金属触媒などを利用するためコストがかかってしまいます。私達は、より温和な条件、かつ低コストでバイオマスを液体燃料に変換するための触媒の開発を行っています。
物質科学科・応用化学コース 准教授・布田 潔 新しい焼結法を用いた新規熱電変換材料の開発 高圧の状況の下で直流のパルス電流を流して焼結する新しい焼結法である、SPS焼結を応用して、これまでにない組織(ナノ組織)と組成を持つ熱電変換材料を開発しています。これまで、金属の酸化物や硫化物という比較的ありふれた素材を用い、安全で、安価かつ高性能な材料を目指して研究を進めてきました。出来上がった材料はさらに、秋田県産業技術センターとも共同で、モジュールに組み立て実用化の可能性を検討しています。
物質科学科・応用化学コース 准教授・布田 潔 秋田県玉川流域の水質改善に関する研究 強酸性の玉川温泉から田沢湖に至る流域は、生物の生息が困難な酸性水質となっています。平成元年の玉川温泉中和処理施設の稼働以後、水質の改善が図られつつあるものの、下流の田沢湖のpHは秋田県の目標値である6.0に到達していません。これまで秋田県環境センターと共同で、玉川温泉直下域での鉄酸化バクテリアの生息を明らかにし、また最近では田沢湖の湖底で珪藻の被殻層を発見しています。これらの微生物や粘土等のミクロ・ナノ粒子と水質との関連を研究しています。
物質科学科・応用化学コース 教授・進藤 隆世志
講師・井上 幸彦
助教・北林 茂明
金属ナノ粒子と多孔性固体を統合した高機能触媒開発 白金、コバルト金属ナノ粒子の大きさを制御できる調製法と界面活性剤を用いる規則的な反応空間をもつ多孔質固体の調製法を組み合わせて、環境浄化やエネルギーの有効活用に役立つ高機能触媒の開発を行っています。
物質科学科・応用化学コース 教授・進藤 隆世志
講師・井上 幸彦
助教・北林 茂明
水と高分子から作られるヒドロゲルの研究 ヒドロゲルとは水を取り込んだ高分子からできる複合体で、身近には寒天、ゼリーなどとして存在しています。近年このヒドロゲルに新たな性質を持たせた機能性ヒドロゲルというものが開発されています。この機能性ヒドロゲルをうまく利用するために、ゲルの作成法と性質の間にある関係を明らかにすることを目的とした研究をしています。
物質科学科・応用化学コース 教授・進藤 隆世志
講師・井上 幸彦
助教・北林 茂明
チタニア/マイカ複合化光触媒の開発 光触媒作用を持つチタニア(TiO2)を疎水性有機化合物への吸着能が期待されるフッ素マイカと複合化させることにより、環境中の汚染物質の吸着および分解に有効な光触媒を開発しています。
物質科学科・応用化学コース 教授・後藤 猛
助教・横田 早希
トランスグルタミナーゼを用いた未知タンパク質の新規フィッシング法 トランスグルタミナーゼ(TGase)はタンパク質同士を連結させたり、グルタミン残基やリジン残基を修飾したりする反応を触媒する酵素です。本研究は、このTGaseと既知タンパク質を連結させ、既知タンパク質に相互作用する未知のタンパク質をTGaseの近接依存反応によって特異的に蛍光標識して検出・探索する新しい手法の開発を行うものです。
物質科学科・応用化学コース 教授・後藤 猛
助教・横田 早希
輸送シグナルペプチドを利用した遺伝子輸送キャリアの開発 遺伝子を細胞内に効率的に導入するための、新規遺伝子キャリアの開発を目指した研究です。ウイルス由来の輸送シグナルを有するタンパク質とDNAから成るハイブリット型キャリアの創製とその輸送能について研究しています。
物質科学科・応用化学コース 教授・後藤 猛
助教・横田 早希
昆虫細胞におけるバキュロウイルス結合レセプターの探索 昆虫細胞に特異的に感染するバキュロウイルスは、安全な遺伝子キャリアーとして昆虫細胞培養による哺乳動物タンパク質の大量生産に利用されています。私たちはこのシステムの改良を目指し、昆虫細胞表面にあるバキュロウイルス結合レセプターの探索を行っています。
物質科学科・応用化学コース 教授・後藤 猛
助教・横田 早希
天然ゴム生合成関連タンパク質の機能解析 天然ゴムはさまざまな植物から生産されるバイオポリマーであり、特に熱帯地域で栽培されるパラゴムノキ由来のゴムは優れた物性を示します。私たちはパラゴムノキやイチジクにおいて天然ゴム生合成に関与するタンパク質を微生物に作らせ、天然ゴムの生合成や物性における役割を研究しています。
物質科学科・応用化学コース 教 授・菅原 勝康
准教授・大川 浩一
助教・加藤 貴宏
エネルギー資源のクリーン化技術の開発 地球環境の保全ならびに有限な資源の高効率利用の観点から、化石エネルギー資源のクリーン化技術の開発が望まれています。石炭やオイルサンドなどの重質炭化水素に含まれる硫黄化合物を酸化反応やイオン液体による抽出などの技術を駆使して選択的に取り除いたサルファーフリークリーン燃料の製造プロセス開発を行っています。
物質科学科・応用化学コース 教 授・菅原 勝康
准教授・大川 浩一
助教・加藤 貴宏
超音波照射下で生成する化学反応場を利用した機能性材料の合成 溶液中に強力な超音波を照射することで、酸化もしくは還元反応を進行させることができます。超音波照射条件を制御することで、目的とする反応を選択的に利用します。この反応を用いて、酸化剤・還元剤の添加を行うことなく、常温・常圧で高性能なリチウム電池用正極活物質、環境浄化材料など機能性材料を合成する研究をしています。
物質科学科・応用化学コース 教 授・菅原 勝康
准教授・大川 浩一
助教・加藤 貴宏
省エネ型エレクトロセラミックス製造プロセスの開発 焼結反応が短時間で完結するナノ微粒子の合成を行っています。また固体界面反応や有機バインダー分解速度を制御することにより、コンデンサーや蛍光体、リチウムイオン電池などを少ないエネルギーで製造し得るプロセスの開発を行っています。
物質科学科・応用化学コース 教 授・菅原 勝康
准教授・大川 浩一
助教・加藤 貴宏
レアメタルならびに貴金属の分離回収プロセス開発 E wasteと呼ばれる廃電子基板には多くのレアメタルや貴金属が使用されています。例えばその中の金の含有量は鉱石よりも一桁以上高い値となっています。これらを塩化揮発反応や炭素による還元反応を利用して、短時間で選択的に分別回収するプロセスの開発と反応装置設計を行ってます。
物質科学科・応用化学コース 准教授・高橋 博 海洋除染技術の開発 膜分離装置内で各種化学反応を行う新しい技術を考案し、海洋除染作業で発生する処理液からの廃棄物の分離と使用した薬剤の再生を目指したシステム開発を行っています。
物質科学科・応用化学コース 助教・山下 剛司 四級塩の溶解状態とヒドロゲルの膨潤挙動 水にも油にも親和性を持つ四級塩の水溶液中での溶け方や温度などの外部刺激の変化による相状態を観察し、四級塩の構造と相分離との関係性を明らかにします。また、四級塩と類似の構造を持つ液体を保持したしたまま形状を維持するヒドロゲルを合成し、水中での添加物の濃度変化や外部刺激の変化に対する膨潤・収縮挙動を詳細に観察し、四級塩の溶解状態との関係性を明らかにします。
物質科学科・応用化学コース 助教・芳賀  一寿 高度資源処理技術の開発に関する研究 有害な不純物(ヒ素など)によって汚染されているため開発に着手できない資源(未利用資源)を有効利用するための分離技術の開発に関する研究を行っています。その他、電子機器廃棄物(E-waste)のリサイクルに関する研究や、特定の金属を選択的に抽出するための金属抽出剤の創成に関する研究も併せて行っています。
物質科学科・材料理工学コース 教授・齋藤 嘉一 ヘテロ構造制御による次世代型マグネシウム製構造材料の開発 マグネシウム(Mg)は実用金属中最も軽量で、自動車をはじめ鉄道・航空輸送機、携帯用機器の筐体の軽量化に有用であり、低炭素社会や環境保護の推進に適う材料として注目されています。しかし、さらなる社会的普及と用途拡大を進めるうえで、強度と延性能について一層の改善が必要です。本研究は、Mgに対して第2、第3元素の合金添加と適当な熱処理をもって組織・構造の絶妙な制御を図り、従来材を圧倒する高性能化を追究しています。
物質科学科・材料理工学コース 講師・長谷川 崇 真空とナノテクでつくる強い磁石 本研究室では、真空成膜装置や微細加工装置を用いた新しい磁性材料の開発を行っています。材料の結晶構造や組織などを人工的に制御してやると、通常の材料ではみられない性質が現れることがあります。例えば大きさがナノメートル台の材料では、高速・大容量ストレージ、光発電の高効率化、生体適合性の向上、摩擦低減効果など、多種多様な有用性が報告されています。中でもナノ磁性体は、電子情報デバイス、バイオ医療材料等の分野での活躍が期待されています。
物質科学科・材料理工学コース 助教・肖 英紀 準結晶物質の創製とその特性評価 物質の中の原子は、多くの場合「結晶」と呼ばれる規則正しい配列で並んでいます。一方、ガラスのように原子が不規則に配列した「アモルファス」物質も存在します。「準結晶」とは、そのどちらでもなく、「5回回転対称性」や、「黄金比」と呼ばれる無理数に司られた特殊な原子配列をもつ物質であり、普通の結晶やガラスとは異なる新しい特性が現れる可能性を秘めています。このような物質を多くの元素の組み合わせから創製し、その新奇な性質を調べています。
物質科学科・材料理工学コース 教授・小玉 展宏 無機固体の光物性と光機能材料の創製 膨大な数の原子や分子の集合体である結晶、ガラスなどの無機固体の凝縮系物質と光との相互作用について理解するため、光照射によって生じる凝縮系の素励起(高いエネルギー状態、例えれば興奮状態で、励起子と呼ばれる電子-正孔対など)状態の構造変化や発光過程を分光法により研究しています。その知見を基に、レーザー光を用いて、無機凝縮系物質に微細な構造を作ることで特異な光物性(光閉じ込めなど)の発現を目指しています。
物質科学科・材料理工学コース 講師・辻内 裕 有機分子の薄膜および半導体などの分子エレクトロニクス研究 有機分子の優れた機能は、ミクロの世界では、電子移動や光を吸収して電子を出したり発光したりする、分子レベルでのエレクトロニクス現象として、複雑な生命現象までも理解できます。これは生物物理学という分野です。この分野の知見を活かして、有機分子の機能性薄膜の研究、ゲル固体電解質によるバイオセンサの研究、低コスト光電池および紫外線エネルギー利用技術の関する物質およびシステムの研究を行っています。
物質科学科・材料理工学コース 特任講師・河野 直樹 高エネルギー粒子やX線、ガンマ線を検出するための蛍光体材料の開発 無機単結晶やガラス、セラミックス、有機無機ハイブリッド材料を用いた蛍光体材料に関する研究を行っており、その中でも特に高エネルギー粒子やX線、ガンマ線を検出するための蛍光体材料の研究をしています。これらの放射線は、医療、セキュリティ、石油探索、高エネルギー物理学など様々な分野で用いられおり、それぞれの用途に応じた蛍光体材料が必要となります。当研究室では、様々な材料の構造や物性を制御することで、用途に応じた蛍光体材料の開発を目指しています。
物質科学科・材料理工学コース 教授・大口 健一 材料に生じる変形の予測方法に関する研究 材料を安全に使用するには、材料に力が加わったときに、どのくらいの変形が生じるのかを予め知っておく必要があります。そこで、材料に生じる変形と力の関係を様々な実験で調べた上で数式化し、その数式をコンピュータシミュレーションに応用して実際の製品で生じる変形を正確に予測するといった研究を行っています。そして、その結果に基づき、製品の破壊を防止するための方法や寿命を延ばすための方法について考察しています。
物質科学科・材料理工学コース 准教授・仁野 章弘 新たな硬質セラミックスの開発 炭化物および窒化物をベースとした硬質セラミック材料の開発、および微細組織制御と機械的性質に関する研究を行っています。
物質科学科・材料理工学コース 特任助教・福地 孝平 様々な熱的特性を有する新機能材料の開発 2種類以上の材料を組み合わせて複合材料にすることで高性能化することができます。複合材料は作製方法や構造の違いによって特性が異なるため、実験により材料特性を調べ、必要な特性を得るための作製方法について検討しています。例えば、アルミニウムに炭素繊維を含有させた軽量で熱伝導性の良い複合材料やパラフィンのような低温で溶ける材料をプラスチックに含有させた蓄熱性能を有する複合材料の開発をおこなっています。
物質科学科・材料理工学コース 教授・原 基 溶融塩電析法による機能性表面の創製 水溶液中から電析されないアルミニウムを高温の「溶融塩」中からニッケル上に電析させることで、高温環境で高い耐酸化性を示すアルミニウム・ニッケル合金から成るコーティングを作製しています。また同じ高温「溶融塩」中から希土類元素の一つであるランタンをニッケル上に電析させることで水素をよく吸収して電池電極となるランタン・ニッケル合金を作製しています。
物質科学科・材料理工学コース 准教授・福本 倫久 ガスセンサーを用いた耐熱材料の酸化挙動の解明 イオンを伝導体とするセラミックスを用いて高温環境での金属の酸化反応で発生するガスを分析することによって、表面で起こっている化学反応を解析し、どのような反応が起こっているのかを検討する研究を行っています。
物質科学科・材料理工学コース 准教授・佐藤 芳幸 計算機を用いた材料設計に関する研究 パソコンを始めとする計算機を用いた分子や原子に関するミクロレベルでの特性計算を、分子動力学法や分子軌道法を用いて行うことにより、新材料の材料設計における指針として活用することを検討しています。具体的には、材料界面における金属とガスの化学反応に基づく原子や分子の移動の仕方を詳細に把握することで、1000℃以上の高温度域における腐食現象を予測し、腐食メカニズムを明らかにして新合金の材料設計を行います。
物質科学科・材料理工学コース 教授・田口 正美
助教・高橋 弘樹
新規燃料電池および省エネルギー電極材料の開発 持続可能な社会の確立には、環境への負荷が少ないエネルギーシステムの開発や二酸化炭素の削減などがきわめて重要です。研究室では、高効率でクリーンな燃料電池に必要とされる高活性で耐久性に優れる電極触媒の開発や、素材製造プロセスで重要な省エネルギー型電極材料の研究を行っています。また、地球温暖化の原因物質と考えられるCO2の削減に向けて、電気化学を利用した電解還元処理システムの開発に取り組んでいます。
物質科学科・材料理工学コース 准教授・魯 小葉 高温酸化物超伝導体に関する研究 ①Bi系高温酸化物超伝導テープ材の開発と特性評価に関する研究、②Bi系高温酸化物超伝導体の生成機構、溶融・凝固による組織制御に関する研究、③強磁場中での高温超伝導体の育成などの研究を行っています。
物質科学科・材料理工学コース 教授・麻生 節夫 高強度鋳造複合材料の研究 耐摩耗材料は硬さが最も重要な要素ですが、一般に材料は硬くなると強度や耐摩耗性が向上する一方で、ねばさが低下し脆くなります。ところが日本刀は硬さとねばさを上手に組み合わせ、よく切れるが折れにくいという特長を持っています。日本刀のように硬さとねばさを兼ね備えた耐摩耗材料ができると、色々な産業機械に利用できます。そこで、ねばさを担う材料の一部に硬さを担う材料を分散させた部分複合材料に注目し、その製造方法や性質に関する研究を行っています。
物質科学科・材料理工学コース 准教授・棗 千修 金属材料の凝固現象の数値シミュレーション 金属・合金が凝固するときに作り出すデンドライト組織(雪の結晶のような樹枝状形態の結晶組織)の形成メカニズムを理解するためのマルチフィジックスによるコンピュータシミュレーションの研究を行っています。また、これらのコンピュータシミュレーションを用いて金属材料の鋳造プロセスを最適化するためのソフトウェアを開発しています。
物質科学科・材料理工学コース 助教・後藤 育壮 鋳物の高性能化に関する研究 高機能部品・複雑形状部品のための鋳物材料や、それらの製造に適した鋳造プロセスについて研究しています。特に、熱伝導性・電気伝導性に優れる純アルミニウム部品や純銅製部品に着目し、それらを鋳造により効率良く製造するための技術の確立を目指しています。また、鋳ぐるみ接合による金属とセラミックスのモジュール化技術や、鋳造欠陥の発生予測のための鋳造シミュレーション技術に関する研究にも取り組んでいます。
物質科学科・材料理工学コース 教授・林 滋生 天然原料を利用したセラミック環境浄化材料の創製 セラミックス(無機材料)の様々な機能は、物質が本来持っている性質と、作製プロセス(手法)によって構築された構造・組織の、2つの要因が合わさって発現します。私たちは、イオン交換機能を持つ天然物質(秋田県産天然ゼオライト)を原料として用い、エネルギー消費の少ない最新のセラミックス作製プロセス技術を用いることで、高性能かつ安価で大量に使用できる環境浄化用セラミック材料を創製するための技術を研究しています。
数理・電気電子情報学科・数理科学コース 教授・小野田 勝 量子波の伝搬における幾何学的な位相の効果 周期的な構造の中を伝搬する電子や光子などの量子力学的な粒子の波(量子波)が見せる奇妙な振る舞いについて、幾何学的な観点から研究しています。量子力学的な状態はヒルベルト空間と呼ばれる抽象的な空間における点として表すことができるのですが、それらの点同士のつながり方の特徴、つまり幾何学的な特徴が物理現象としてどのように現れてくるのかに興味を持っています。
数理・電気電子情報学科・数理科学コース 教授・河上 肇 逆問題(特に形状推定逆問題)と、確率論の応用 例えば、スイカの中がどうなっているか分かっていれば、叩いた時どんな音がするかは計算で分かります。でも、叩いた音からスイカの中を推測するのは難しい。前者は順問題の例で、後者は逆問題の例です。このような逆問題(特に、未知の形を推測する逆問題)を、数学的に研究しています。そのための数学的ツールとして、確率論と積分を主に使っています。理論的な事だけで無く、コピューター・シミュレーションもしています。
数理・電気電子情報学科・数理科学コース 准教授・小林 真人 幾何学(トポロジー)を利用した物体の形状の把握 1 多様体とよばれる高次元図形の形状を、平面や2次元球面などに投影したときにできる陰影線の様子から推察する理論を研究をしています。気象・天文データなど、多量で多要素からなるデータがどのように分布しているのかを調べるのに役立ちそうです。
2 物体の表面がつくる曲面、高層の大気の流れを表す曲線、物体の輪郭線や、文字、記号で代表される線図形など、実際に目に見えるかたちから、窪みや変曲などの特徴を調べる新しい方法の研究をしています。
数理・電気電子情報学科・数理科学コース 特任助教・新屋 良磨 オートマトン・形式言語理論 形式言語理論は「文字列の集合(言語)」を計算論的・数学的に厳密に研究する分野です。言語を解析する道具にもいろいろあり、その中でオートマトンは最も単純かつ強力な道具の1つです。私の興味は特にオートマトンの代数的・組合せ論的性質にあり、園周辺で研究を行っています。また、オートマトンを「プログラムの計算量の解析」や「プログラムが正しく動くことの自動証明」に応用する研究も行っています。
数理・電気電子情報学科・数理科学コース 准教授・菅原 透 酸化物融体の高温物性についての理論的、実験的研究とそれらの応用 1000℃以上の温度で融けた状態にある酸化物の物性や反応について、熱量測定や計算熱力学と呼ばれる手法を用いて研究をしています。またそれらを応用して、地球内部のマグマの発生の仕組みの解明、高レベル放射性廃棄物のより安全な処理方法の開発、低環境負荷のガラス製造プロセスの検討などを行なっています。
数理・電気電子情報学科・数理科学コース 准教授・田沼 慶忠 ユニフォームでない超伝導体の数理的手法による研究 超伝導体接合といったユニフォームでない系では、系の対称性が破れるため、不思議な物理現象や量子効果が起こります。例えば、強く局在した表面状態の形成や奇関数の周波数を持つ超伝導状態の誘導などが挙げられます。これらを踏まえて、超伝導体接合について数理的手法による解明を試み、研究に取り組んでいます。
数理・電気電子情報学科・数理科学コース 講師・中江 康晴 2次元や3次元の柔らかい幾何学(トポロジー) ドーナツとコーヒーカップはどちらも穴が1個だから同じ形である、というような柔らかく図形を変形する方法で図形を分類する、トポロジーと呼ばれる幾何学の分野の研究をしています。特に2次元や3次元の図形に対して、その図形上に描ける模様(葉層構造)に着目して、その模様が作れるか作れないかを調べることで、図形を分類する研究をしています。
数理・電気電子情報学科・数理科学コース

講師・Fazekas Szilard Zsolt

オートマトン・離散数学 主に研究している分野の一つにオートマトン理論というものがあります。オートマトンとは簡単化されたコンピュータの理論模型で、有限のメモリーを持ち、インプットに基づいて内部状態が変更されます。身の回りにある例としては、電気のスイッチ、自動販売機のような単純な例から、自動お客様サポートシステムや自動生産システムのような複雑な例まであります。
数理・電気電子情報学科・数理科学コース 講師・三角 樹弘 極小世界の物理学・素粒子物理学 自然界の最小単位である「素粒子」の物理と、それを理解する道具である「場の量子論」について研究を行っています。原子やそれより小さいスケールの世界では、物の位置や速度が確定せずあやふやになるのですが、特に「場の量子論」で記述される素粒子の世界では、物の存在そのものがあやふやになり、常識を超えた現象を引き起こします。本研究室ではこれらの興味深い現象の理解を目指しています。
数理・電気電子情報学科・数理科学コース 准教授・山口 邦彦 層状物質のトンネル効果に関する研究 層状構造を有する物質や金属の量子物性を明らかにするために、量子力学的トンネル効果を利用した実験的研究をしています。
数理・電気電子情報学科・数理科学コース 教授・山村 明弘 代数系、離散数学と計算機科学、情報セキュリティへの応用 代数系(群・半群)に関する決定問題やアルゴリズム問題に取り組んでいます。離散数学は計算機科学分野に多くの応用があり、特に、数学的構造の対称性(偏対称性)を表現する数学的概念である群・半群は数学だけでなく数理科学全般に多くの応用があります。計算機科学分野では、離散構造とその(偏)対称性を理解することが、効率的なアルゴリズムを構成するための必要な条件であり、その理解を研究テーマとしています。
数理・電気電子情報学科・電気電子工学コース 教授・熊谷 誠治 もみ殻を原料にした蓄電デバイス電極材料の開発 電気・ハイブリッド自動車やスマートフォンなどに多く使用されているリチウムイオン電池やコンデンサなどの蓄電デバイスの電極材料を、もみ殻を主原料に製造します。秋田県で農業廃棄物として多量に排出されるもみ殻は、植物由来の有機成分の他、土壌由来の無機成分を多く含んでいます。その特性を上手に活かして、これまでにない環境適合性が高く、かつ、高性能な蓄電デバイスの電極材料を開発します。
数理・電気電子情報学科・電気電子工学コース 准教授・Kabir Mahmudul 環境浄化技術の開発 東日本大震災後に福島原子力発電所の事故による、いま問題となっているセシウムの除染を目指しています。我々が考案した水平式電極動電処理法(FEM-EK)を用いることで、研究室レベルでセシウムの除染に成功しており、近々、共同研究企業とともに現地にて除染の実証実験を計画中です。この手法は、汚染された土壌や沼地に二本の電極を設置し、太陽光発電などによる電気を用いてセシウムや重金属を陰極へ移動させ、吸着による除染する技術です。
数理・電気電子情報学科・電気電子工学コース 特任助教・富岡 雅弘 リチウムイオン電池の特性シミュレーション技術の開発 電気自動車やスマートフォンの普及に伴い、効率の良いリチウムイオン電池の研究開発が進んでます。電池の性能を評価する主な手法は実機検証であり、多くの試作品が作られ、特性を評価するために試験しています。それには多くの時間と費用、労力が必要となり、より効率的な電池の性能評価手法が求められています。我々はリチウムイオン電池の新たな評価手法としてシミュレーションによる特性の予測手法について研究開発しています。
数理・電気電子情報学科・電気電子工学コース 教授・今野 和彦 超音波の可視化に関する研究 医用診断や材料・構造物の検査に超音波が広く用いられています。超音波の発生には圧電素子が用いられますが、この素子の電気的な性質を調べ、これを用いて超音波を発生させる方法について研究をしています。さらにこれらの知識を元に、超音波がものの中を伝わる様子を可視化する研究も行われています。光センサーや信号処理技術を駆使して音を光で検出するという他大学にはないユニークな研究が行われており、光マイクロホンや新しい音響イメージングの研究が進行しています。
数理・電気電子情報学科・電気電子工学コース 講師・福田 誠 非線形超音波を用いた非破壊検査についての研究 モノを壊さずに内部の状態を調べる非破壊検査の分野において超音波が利用されています。従来の超音波法では見つけられなかったとても小さいき裂や欠陥を検出したいという要望があり、それが可能とされる非線形超音波に注目が集まっています。非線形超音波は普通に使われている超音波と比べて非常に小さい音圧であり、これを感度良く検出するための方法(探触子の開発・信号処理など)について研究を行っています。
数理・電気電子情報学科・電気電子工学コース 助教・西平 守正 超音波の発生と伝搬の数値解析と計測への応用 構造物などの状態を確認する際に、分解や損傷などの影響を与えない非破壊の検査法として超音波を利用する方法があります。このような超音波非破壊検査の技術向上のために、超音波が構造物の中を伝搬する様子や超音波を発生させる素子について解析を行っています。これらの数値解析結果に基づいて、超音波非破壊検査の新たな手法を開発することを目指して研究しています。
数理・電気電子情報学科・電気電子工学コース 教授・小原 仁 通信ネットワークの構成原理と制御方法に関する研究 インターネットなどでは、多数の人が同時に使えるようにするため通信機器の性能を上げる必要があります。また、多数のユーザが1つのネットワークを共用するので公平に使えるように制御します。しかし、装置の規模や制御の複雑さには限界があるので、その範囲で一番効率の良い方法を考える必要があります。このように通信機器の構成原理や制御方法に関するアイデアを考えて、シミュレーションや実験で性能を評価します。
数理・電気電子情報学科・電気電子工学コース 准教授・田中 元志 ヒトの活動による音と生体情報の解析とその利用 ヒトの活動によって発生する音(足音、生活音、楽器演奏音など)に着目し、マイクなどを用いてコンピュータに取り込み、解析する基礎研究と、その知見を用いた歩行者の識別、家屋内事故などの異常検出、音符認識などに関する研究を行っています。また、生体情報として脳波(α波、事象関連電位など)、心電図、視線などを計測し、解析・処理によって抽出した特徴量を、ヒトの状態や感性などの評価に利用することを研究しています。
数理・電気電子情報学科・電気電子工学コース 特任講師・室賀 翔 電子機器のノイズ計測と対策用デバイスの開発 IoTデバイスなどの電子機器は、小型薄型化、多機能化や低消費電力化が進んでいます。小さなデバイス内で隣り合う素子や配線間で電磁界が干渉すると、誤作動や性能劣化が生じる可能性があります。そこで機器内の狭い領域の電磁ノイズを計測により可視化して、磁性体などの新しい材料を使って電磁界をコントロールする技術について、試作や実験、シミュレーションを使って研究しています。
数理・電気電子情報学科・電気電子工学コース 准教授・佐藤 祐一 光る半導体のナノサイズ結晶の形成と新しい照明や画像システムへの応用 半導体はスマートフォンやロボットなどを動かす電子回路に利用されますが、きれいな光や目に見えない光を出す半導体もあり、発光ダイオードなどとして利用されています。
この研究では、ナノメートルのサイズの光る半導体の結晶を、大きな面積のプレートの上に人工的に作ること、そして将来的には、すごく明るいけどまぶしくない照明や、とても小さな領域の画像をリアルタイムで高品質に大きな画像として表示できる装置などに応用することを考えています。
数理・電気電子情報学科・電気電子工学コース 教授・倉林 徹 ミリ波・テラヘルツ波領域の素子開発と生体物質の高感度検出への応用 超高周波(ミリ波やテラヘルツ波)の発生とその応用に関する研究を行っています。テラヘルツ電磁波は、発生と検出が難しいことから世界中で開発が遅れ、長い間『未踏領域』と呼ばれてきました。しかし、最近の技術革新によってテラヘルツ波の利用が可能になり、さまざまな応用が世界中で開発されつつあります。当研究室ではミリ波やテラヘルツ波帯の電磁波発生・検出技術を用いた、生体物質の高感度検出など新たな技術革新を目指しています。
数理・電気電子情報学科・電気電子工学コース 助教・淀川 信一 ミリ波・サブミリ波帯の電磁波伝搬と応用に関する研究 自動車の衝突防止レーダなどに使われているミリ波から、今後の発展が予想されるさらに高い周波数のサブミリ波までの電磁波の伝搬や応用について電磁界シミュレーション解析と実験の両面で研究しています。例えばレーダのビームが素早く左右に動かすこと(走査)ができれば、広い範囲の障害物を検知することができます。私たちは、プラズマに磁界をかけることでミリ波のビーム走査を可能にする技術について研究しています。
数理・電気電子情報学科・電気電子工学コース 教授・齊藤 準 ナノスケール磁気計測システムの開拓とその先端磁気デバイス評価への応用 ナノテクノロジーの進歩により、磁気センサーや磁気記録装置の性能が飛躍的に向上しています。磁気デバイスの性能アップには、磁気的性質をナノメートルサイズで評価・解析し、研究開発の場にフィードバックすることが重要です。本研究室では走査型プローブ顕微鏡を応用して世界最高水準の空間分解能をもつナノスケール磁気計測システムを開発し、先端磁気デバイスに関して産業界のニーズに応える微視的な評価法を提案しています。
数理・電気電子情報学科・電気電子工学コース 准教授・山口 留美子 ネマチック液晶の物性およびその応用に関する研究 電卓表示やテレビ、スマートフォンディスプレイに応用されているネマチック液晶において、それらの製品化の際に重要となる液晶分子の配向現象を研究しています。さらに、ディスプレイ以外への応用として、透明-光散乱状態を電気的に切り替えることができる電子カーテン、角度によって光を遮ることができる電子ブラインドへの応用、またそれらの低電圧駆動化に関する研究を行っています。
数理・電気電子情報学科・電気電子工学コース 准教授・河村 希典 液晶をつかった電子制御レンズの開発 液晶材料は、比較的低い電圧により液晶分子の配列状態や光学的特性(屈折率分布)を容易に変化できる他の光学材料には見られない特長を持っています。
この優れた光学的特性をもつ液晶を使って、機械的な駆動部を必要としない全く新しい「液晶プリズム」、「液晶レンズ」、またそれを用いた「光学応用システム」の開発を行っています。
数理・電気電子情報学科・電気電子工学コース 教授・田島 克文
助教・吉田 征弘
未来を支えるモータの設計開発 日本で使われる電力の5割以上がモータで消費されているのを知っていますか?日々の暮らしの快適性や利便性、産業の発展はモータに支えられています。そのため、高効率で高性能なモータの開発は将来にわたって欠かすことのできないキーテクノロジーになります。このような背景のもと、本研究室では高効率・高性能モータの設計および解析技術の開発を行っています。
数理・電気電子情報学科・電気電子工学コース 准教授・三浦 武
助教・松尾 健史
小形モータの制御法に関する研究 日常生活で用いる電気製品や電子機器、ディジタル機器の内部には、「動き」を与えるための制御用のモータが様々な目に見えない形で組み込まれています。近年では特に、正確な「動き」を素早く実行することが求められています。本研究では、その実現のための技術開発に取り組んでいます。
数理・電気電子情報学科・電気電子工学コース 准教授・三浦 武 秋田県の民俗芸能の数値解析に関する研究 秋田県は、全国の都道府県の中で最多の国指定の重要無形民俗文化財を有しています。近年では、民俗芸能の舞踊の身体動作をセンサを用いて記録できます。本研究では、記録された動作データの数値解析により、それぞれの民俗舞踊の動きの特徴が伝承地の文化とどのような関連を持っているのかを探っています。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 教授・水戸部 一孝 VRシミュレータの開発と交通事故防止技術の研究 世界最先端の超高齢社会を迎えた秋田県を舞台に、高齢者の交通事故について研究しています。ここでは、バーチャルリアリティ技術とモーションキャプチャ技術を組み合わせたVRシミュレータを開発し、仮想空間を実際に高齢者が歩いたり、自転車や自動車を運転したりする時の行動を解析して、交通事故発生要因の解明や自動運転技術への活用を進めています。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 教授・水戸部 一孝 ハイパーサミアによる悪性腫瘍の治療技術の研究 医学部胸部外科との共同研究として、悪性腫瘍が熱に弱い性質を利用した副作用の少ない物理的な治療技術である「温熱療法(ハイパーサミア)技術」を研究しています。既に動物実験では薬剤を併用することで生存率が向上することを実証し、現在、臨床試験に向けた装置の大型化、自動制御手法を研究しています。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 教授・水戸部 一孝
技術職員・齋藤 正親
AR・MR技術を活かした採血手技訓練用シミュレータの開発 医学部保健学科との共同研究として、1/100mmの高い分解能で計測できるモーションキャプチャ技術を利用し、採血における指先の細かな動作を計測・解析することで技能を評価すると共に、自学自習用のAR・MR教材を研究しています。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 教授・水戸部 一孝 在宅看護支援技術の研究 高齢化が進む本邦は、近い将来、病院で収容可能な患者数を超過するため、在宅での治療・看護が不可欠となると予想されています。我々は、訪問看護の先進県である秋田県を舞台に看護師の在宅での患者業務を支援するICT・IoTを開発しています。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 教授・水戸部 一孝
技術職員・齋藤 正親
ロボットやAIを活用した単身高齢者世帯の見守り支援技術の研究 秋田県では高齢化が進み高齢者の単身世帯数が増加しています。都市部にある病院の医師や首都圏で離れて暮らす子供世帯が必要に応じてロボット(Pepper)を介して見守りができたり、3Dカメラにより高齢者の日々の行動(服薬)をチェックして、ADLの変化に気付けるシステムの開発をめざしています。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 教授・水戸部 一孝 THz帯の電磁波を利用した生体由来物質の可視化技術 電波と光の間の帯域であるTHz波帯の電磁波により、目で見ることはできない人のタンパクを可視化して、様々な疾患に起因するタンパク質の異常を簡便に可視化する技術を研究しています。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 講師・藤原 克哉 手指を使った動作の計測による高齢者の見守り技術の研究 一人暮らしの高齢者の増加に伴い、気づかないうちに病気で倒れたりすることがないように日々の変化を察知する見守る技術が必要性が高まっています。そこで、図や文字を描く手指を使った細かな動作を計測し解析することで、隠れ脳梗塞など自分では気付き難い体の変化の発見に繋げる技術を研究しています。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 講師・藤原 克哉 コンピュータシステム・ソフトウェアシステムの設計技術の研究 コンピュータのハードウェアとソフトウェアは、作ってから出荷する前に、想定通りに動くことをテストして不良品を排除する必要があります。コンピュータが大規模で複雑になるとともに、テストコストが製造コストの大部分を占めるようになりました。そこで、テストが容易になるコンピュータの設計法を考えて、大規模化しても対応できるように研究を進めています。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 助教・中島 佐和子 音声合成やARによる映画のバリアフリー化技術 日常生活を営む上でテレビや映画は重要な要素です。しかし、視覚や聴覚に障害を有する方々が映像や映画を楽しむための環境は十分に整ってはいません。視覚や聴覚に障害を有する方々の映画環境の問題点を調査し、課題を解決するための技術開発を進めています。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 教授・景山 陽一 UAVデータを用いた環境モニタリング技術の開発 ドローンなどのUAV(無人航空機)により取得されたデータを用いて、環境をモニタリングする技術の開発を行っています。例えば、湖などの水質状況を把握する場合、採水することが一般的ですが、この場合では水面全体の状況を把握することは困難となります。このため、対象物の特徴やUAVデータがもつあいまいさを考慮して、環境をモニタリングし国土の保全を支援する技術の開発を行っています。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 教授・景山 陽一 リモートセンシングデータを用いた震災廃棄物量推定 大規模な災害が発生した場合には、災害により発生した廃棄物量の推定などを速やかに行い、被災地の皆さんの復旧活動を迅速かつ効果的に支援する必要があります。このため、広域性・周期性などの特徴を有するリモートセンシングデータを用いて、対象地域における土地被覆状況の変化や被災地における知見を処理技術に組み込み、震災廃棄物量を推定する手法の開発を行っています。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 教授・景山 陽一 表情認識と発話内容の識別 私たちは顔情報を用いて他者とのコミュニケーションを図っています。特に、表情は目や口などの様々な部位の動きが複合し多くの情報を発信しています。また、言葉を発する時には口が動くため、発話に伴う口の動きを解析することにより発話内容の識別が可能になります。このため、人と人、さらには人とコンピュータとの理解を深めるインタフェースを開発するために、表情認識と口の動きに着目した発話内容識別について機械学習などを用いて検討を行っています。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 教授・景山 陽一 情報技術を用いた心理・体調変化の検出 日常生活において、自分自身や周りの人たちの体調の程度、心理状態を理解することは質の高い毎日を過ごす上で重要です。このため、顔に表出される情報や口の動き特徴、視線、体動などに着目し、画像処理や機械学習、IoTにより対象者の心理や体調の変化を検出する技術の開発を行っています。これらの検出技術は、超高齢社会において、遠隔地から他者を見守るシステムやコミュニケーションを支援するシステムに利用することができます。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 教授・景山 陽一 物流における倉庫内業務支援とデータ解析 私達の日常生活を支えている基盤の一つとして、物流があります。特に過疎化が進む地域では、必要なものをネットなどにより発注し配達してもらう機会が増えるでしょう。このため、物流における倉庫内業務において、ICT(情報通信技術)による最適なピッキングおよび在庫ロケーションを支援する手法について検討しています。また、膨大なデータ解析により作業効率化を図ること、搬送計画の自動化など物流システムの要素技術について検討を行っています。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 教授・景山 陽一
講師・石沢 千佳子
情景画像を用いた看板・標識の認識 道路利用者の安全・安心を向上させるためには、目の前にある情景を撮影した画像・映像から看板や道路標識を認識し、利用者に提示することが重要です。また、日本語が苦手な方には、撮影した看板が自動翻訳されるシステムが有効でしょう。しかし、屋外では天候や時間によって明るさが大きく変化してしまいます。そこで、看板や標識が持つ色情報や形状情報に着目し、データ取得条件にロバストな認識技術の開発を行っています。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 教授・景山 陽一
講師・石沢 千佳子
植生の種別と生育状況の推定 洪水時における土砂の流出を防止するためには、河川堤防に芝が張られていることが望ましいとされています。しかし、芝以外の植生が生い茂ると、日光が遮られ、芝が枯死するために、河川堤防の弱体化に繋がります。そこで、画像データを用い、対象領域における植生の種別と生育状況を推定する技術の開発を行っています。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 教授・景山 陽一
講師・石沢 千佳子
画像処理による対象物の種別判別と品質推定技術の開発 琥珀の砕片のような対象物の種別を判別したり、その品質を推定したりする作業は、現在も人手により行われています。このため、さまざまな方法でセンシングされた情報を用いて対象物の特徴を抽出し、得られた特徴を基に種類や品質を推定する技術の開発を行っています。開発された技術は外観検査などに応用が期待できます。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 講師・石沢 千佳子 ヒトの視覚特性を利用した疑似的画像表示技術の開発 ヒトの視覚には、異なる色が高速に切り替わって表示されたときに混ざり合った色を知覚するという特性があります。この視覚特性を利用し、異なる色の画像を液晶ディスプレイ上で切り替え表示することによって切り替え表示に用いた画像とは異なる色の画像を表示する技術の開発を行っています。例えば、切り替え表示によって表示された画像をカメラで撮影しても、切り替え表示に用いた画像が写るため、ヒトが知覚した情報を捉えることができなくなります。このため、盗撮防止などへの応用が期待できます。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 講師・石沢 千佳子 ユーザ支援のためのPC操作履歴解析 PC(パソコン)のマウスやキーボードを押した時刻や使用したソフトウェアの種類といった操作履歴を取得・解析し、ユーザの行う作業をサポートするための技術開発を行っています。例えば、あるWebサイトを参考にしながら文書を作成したときに、出典や参考文献の記載漏れをユーザに知らせる手法など、ユーザの「うっかりミス」を未然に防止するための手法について検討を行っています。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 教授・有川 正俊
助教・髙橋 秋典
モバイルICTサービスと時空間データ分析による地域観光振興への貢献 日常的に使われているモバイルデバイスには、GPS受信機、加速・方位センサー、カメラなどの各種空間センサーがすでに搭載され、ユーザの振る舞いを時空間行動ログデータとして記録できます。このログデータを用いて、リアルタイムに気の利いたICTサービスを提供したり、ユーザ行動からデジタル日記生成や健康管理を実現する応用が考えられます。特に地域観光振興を対象に、新しいモバイルICTサービスの実現および大規模行動ログデータ分析のフィードバックによる観光サービスの改善手法などの研究開発を行っています。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 教授・有川 正俊
助教・髙橋 秋典
世代間コミュニケーション場の健全化と地域デジタルアーカイブの持続可能性 ICT社会では時間の進みが速く、人間社会文化は世代交代が急速に進み、過去の重要な知識と遺産は継承されずに失われる傾向にあります。デジタルアーカイブは地域の知を遺すためには有望ですが、高齢世代はICTなどの新しい文化に馴染めず、一方若い世代は歴史・地理スケールで地域を学ぶ機会をもてません。そこで、ICTやAIを利活用し高齢世代と若い世代がWINWINとなるコミュニケーション場の研究を行っています。高齢世代は知識を遺す活動が生き甲斐となり、若い世代は地域の知を習得し豊かな地域未来をイメージできます。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 准教授・橋本 仁 ネットワークのモデル化と最適化手法の研究(1):数理計画法による手法 トラフィックエンジニアリングと呼ばれる分野の研究です。ネットワークにおける経路設定を、制約条件と目的関数(評価メトリック)を有するネットワーク計画問題としてモデル化し、評価メトリックを最適にする経路設定を明らかにする研究です。信頼性や遅延、ネットワークの輻輳率や波長数など線形なメトリック、信頼性やロバスト性のための非線形のメトリックがあります。シミュレーションにより、最適な経路設定を求め、評価し、考察します。数理計画問題としてモデル化します。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 准教授・橋本 仁 ネットワークのモデル化と最適化手法の研究(2):グラフ数え上げを用いた手法 数理計画法を用いたトラフィックエンジニアリングと同じく、ある評価指標のもと最適な経路設定を明らかにする研究です。信頼性やロバスト性が典型的な評価指標になります。本研究では、グラフの数え上げを活用します。例えば経路数メトリックでは、故障時の代替パス使用を考えると、代替パスの多い経路に設定しておけば復旧が容易になる、という考え方で最適化します。この時にどのような経路が何本あるかを数え上げて、評価します。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 准教授・橋本 仁
助教・内海 富博
IoTデバイスを用いたサービス構成法の研究(1):テンポラリな時空間での情報共有・通知 IoT デバイスの一つであるBLEビーコンによるアクセス容易なシステム構成法と適用サービスの研究です。一時的に、ある特定の場所のみで情報が交換・共有されるサービスに注目しています。予想できない災害に際して一時的に設置した避難所での情報共有サービスやSNS での呼びかけで集まった一時的な集まりでのサービスなどです。サービスイメージの提案、デバイスの通信特性の把握、既存アプリを使用した動作の考察、を行ないます。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 准教授・橋本 仁
助教・内海 富博
IoTデバイスを用いたサービス構成法の研究(2):安心情報に重点を置いたたコンテキストベースの階層化され通知システム IoTを活用した見守り情報システムの提案、構築法を研究しています。従来、見守りシステムでは、どちらかというと事故・緊急情報の通知に注目されていました。当研究室での提案は、安心情報に注目し、どちらかというと安心であることを家族や地域、見守り関係者に共有することを目的としています。センサーや小型ネットワークデバイスによるIoTネットワーク、クラウド、データサイエンス的処理、クローリング、IFTTT連携等を駆使して構成します。
数理電気電子情報学科・人間情報工学コース 助教・内海 富博 無線センサネットワークの省電力化に関する研究 無線通信機能を持つセンサで構成する無線センサネットワークは、農業や環境モニタリング、建築物の健全性診断など多くの分野での応用が期待されています。電池などのバッテリで駆動するデバイスは、大量に設置した場合に、電池交換などの負担が大きく、できるだけ長期間動作するような省電力化が必要とされています。そのため、電力の消費効率が良いネットワークの形状やネットワーク設計方法について検討を行っています。
システムデザイン工学科・機械工学コース 教授・渋谷 嗣 複合材料システムの物理的モデリングと評価 航空機などに使われる軽くて強い複合材料を用いた構造の設計や目に見えない内部の損傷のでき方について、コンピューターを用いて可視化して調べる方法や損傷を実際に検出する方法について研究しています。また、高速に精密な位置決めする機械の構造に関して、コンピューターを利用した最適設計法についての開発研究を行っています。
システムデザイン工学科・機械工学コース 教授・村岡 幹夫 航空機複合材の製造技術と電波吸収ナノ材料の開発 軽くて丈夫な炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は製造に多数の手順と手間を要するため、高コストになってしまいます。本研究では、航空機向けCFRP構造品を圧倒的に低コストで迅速に製造できる方法を確立するため、大手重工・地域企業と共に電磁場加熱成形法という独自技術を開発しています。また、電波が飛び交う情報社会の安全安心を守るため、革新的で高性能な電波吸収ナノ材料「メタルナノコイル」を開発しています。
システムデザイン工学科・機械工学コース 教授・奥山 栄樹 機械形状や変位などの精密測定と超精密設計に関する研究 機械形状が如何に数学的な直線や円に近いか、また、機械が如何に精密に運動するかをナノメートル単位で測定する技術を研究しています。さらに、生産現場の製品の精度を上げるために、精密に運動するメカニズムを開発しています。
システムデザイン工学科・機械工学コース 准教授・山本 良之 磁性ナノ粒子(磁性流体)の基礎的性質と医療応用研究 ナノメートルサイズの直径で磁気を帯びた粒子を液体状にした磁性流体は工業用途だけでなく近年、医療やバイオ分野への応用が期待されています。 研究室ではこういった磁性ナノ粒子材料を合成し、ナノサイズ領域で生じる新しい性質を調べることと、磁性ナノ粒子でがん治療を行う磁性流体ハイパーサーミアへの応用に向けてナノ粒子の性能評価を行っています。 
システムデザイン工学科・機械工学コース 准教授・山口 誠 光散乱を用いた表面構造の評価・新技術の開発 物質の表面に薄い膜を作ったり、ナノメートルの凹凸を作るなどの工夫をすることによって、物質に新しい機能を付与する技術が注目されています。その際に、物質の表面の構造を原子レベルで評価したり、分析したりする技術が重要となってきます。そのための手法の一つとして、光と物質の相互作用によって光が散乱される物理現象を利用したラマン散乱分光技術に着目し、それによる表面構造の評価や新しい技術開発に取り組んでいます。
システムデザイン工学科・機械工学コース 准教授・宮野 泰征 自動車の軽量化実現に向けた接合技術に関する研究 自動車に代表される輸送機器の軽量化は環境負荷の低減を目指す上での重要な課題です。一方、衝突安全性の追求という観点では輸送機器の高強度化に配慮した材料選定も不可欠です。このような課題に対し、近年我が国では、材料と組み立て技術の革新により産学官連携で取り組んで行こうという動きがあります。本研究室では、接合研究の拠点である大阪大学と共同で、新型自動車用鋼板への摩擦攪拌接合技術の適用に向けた研究を実施しています。
システムデザイン工学科・機械工学コース 准教授・宮野 泰征 微生物活動に誘導される構造材料の腐食現象の可視化に関する研究 発電プラントや、海洋構造物等の建造物には耐食性や長寿命が信頼される材料が使われています。しかし、このような優れた材料が微生物の活動により予期せぬ腐食影響を受けてしまう事象が存在します。微生物腐食とよばれる現象です。最近の研究で、微生物と材料(金属)中の欠陥(結晶粒界、元素偏析)との関連性が疑われるようになってきました。本研究室では、金属に発生する微生物腐食可視化し、腐食誘導因子の実証解明に向けた研究を行っています。
システムデザイン工学科・機械工学コース 助教・趙 旭 原子マイグレーションの抑制と活用 高密度電子流または応力勾配が駆動力とした原子拡散現象を対象として、これらが微小電子部品の信頼性問題に関わる抑制、およびマイクロ・ナノ材料の創製に関わる活用を研究しています。目に見えない原子の拡散を制御して、金属配線・次世代鉛フリーはんだの接合における信頼性評価および金属ナノワイヤ・ナノコイルなどの微小材料の創製に取り組んでいます。
システムデザイン工学科・機械工学コース 教授・中村 雅英 複雑な運動をする物体まわりの流れの研究 昆虫は、翅を複雑に運動させて飛行しています。その特性を明らかにすることは、さまざまな小型飛行機械を製作するときに重要となります。私たちは、コンピューターを活用してそのような流れを調べています。またこの結果は、さまざまな流体機械、たとえば風車の性能向上にも関連しているので、秋田県において特に重要な意味を持つ風力エネルギーの開発、さらにはその応用についても研究を行っています。
システムデザイン工学科・機械工学コース 教授・田子 真 地熱エネルギー抽出のための地中熱交換器の性能解析評価 地下の浅い領域の地熱エネルギーは低品位(低温)ではあるものの、どこにでも賦存しています。地熱エネルギーを取り出すためには、一般的に地中熱交換器を利用します。地中熱交換器には、U字管方式、同軸型二重管方式、らせん管方式など、いくつかの方式があります。本研究では、これら各種の地中熱交換方式の性能・特性を明らかにするために、数値シミュレーションにより検討しています。
システムデザイン工学科・機械工学コース 教授・田子 真 二成分系水溶液による氷層の融解挙動 氷が塩化カルシウム水溶液などに接すると、周囲からの加熱がなくても自発的に融解が始まります。氷が融解すると、融解面から融解水が放出され、水溶液中に濃度差が生じるとともに、融解面では潜熱が吸収され、水溶液と氷層に温度差が生じます。その結果、水溶液中には、濃度差と温度差に基づく複雑な二重拡散対流が発生します。本研究では、このような氷の融解に伴う二重拡散対流の挙動について、数値シミュレーションにより検討を行っています。
システムデザイン工学科・機械工学コース 准教授・小松 喜美 相変化を伴う伝熱現象に関する研究・開発 水の凍結速度や氷の融解速度を制御できるような機器・方法の開発を目指して、実験やコンピューターシミュレーションを用いた研究を行っています。例えば、寒冷地で問題になっている排水管の凍結を、ヒーターなどの機器を用いないで防止する方法を開発しています。
システムデザイン工学科・機械工学コース 講師・杉山 渉 小型風車による風力エネルギーの有効利用 風は自然エネルギーとして注目され、風力発電に利用されています。しかし、風力発電に適しているのは、常に強い風が吹き、大型の風車を設置出来る広い場所に限られます。より多くのエネルギーを得るためには、強い風の吹かない場所でエネルギーを得ることも必要です。そのため狭い土地でも利用可能な小型風車の性能を向上させる工夫や、得られたエネルギーを有効に利用するための方法について、実験を中心に研究を行っています。
システムデザイン工学科・機械工学コース 教授・長縄 明大 ロボティクスとその医療分野への応用 本研究室では、ロボティクスとその医療分野への応用に関する研究開発を行っています。ロボティクス分野では、玉乗りロボットの動きを制御する研究、2.7mmのモータで物体を動かす駆動装置の開発などを進めています。また、これらの技術を医療分野へ応用し、消化管の運動を計測するためのカテーテル開発、眼窩を含む欠損部の補てつ物であるエピテーゼを瞬きさせる研究、多彩で高度な手術を行うための多指マジックハンドの開発などを行っています。
システムデザイン工学科・機械工学コース 教授・巖見 武裕 医療福祉工学とバイオメカニクス 多チャンネルの電気パルスで筋収縮を制御する医療技術を機能的電気刺激(以下FES)と呼びます。本研究室では、ロボット工学の観点から生体をひとつの動作機構としてとらえ、FESによる麻痺患者の運動再建に必要な研究と機器開発を医学部と共同で行っています。また、実験的な手法を用いて実施する事が困難な医療課題に、コンピューター・シミュレーションの技法を用いて取り組んでいます。
システムデザイン工学科・機械工学コース 准教授・佐々木 芳宏 IPネットワークによる油圧機械の遠隔制御法に関する研究 油圧機械は小型で高出力であるため、災害現場での復旧作業や宇宙、海中、大深度地下等の極限環境での作業に応用されています。このような、人間が立ち入れない悪環境では、遠隔操作による作業が効果的です。本研究室では、IPネットワークを使った仮想空間による映像伝送技術や、操作者が操作するジョイスティックへの作業現場の力を反力として提示することで、操作の安定性向上や操作者への精神的負担の軽減についての研究を行っています。
システムデザイン工学科・機械工学コース 講師・関 健史 光や機械を用いた医療用システムの研究開発 内視鏡で撮影された体内の患部の映像を見ながら手術を行う低侵襲治療は、患者への負担が少ない治療です。しかし、医師は、内視鏡の映像をもとに感覚や経験のみで、患部の情報(大きさ、血流、温度など)を判断するしかありません。そこで本研究では、より安全かつ適切な治療が行うため、患部の様々な情報を取得可能な、光や機械を組み合わせた医療用システムの研究開発を行っています。
システムデザイン工学科・創造生産工学コース 教授・三島 望 環境にやさしくユーザーにとって魅力的な製品設計手法の研究 しっかりした設計戦略無しに製品を高性能化することは、ユーザーによってあまり重要でない製品特性を高めるために、環境に対する影響が増加する結果を招くこともあります。この研究では、製品設計の最も初期の段階で用いられる価値工学や、次の段階で用いられる品質工学と呼ばれる方法を応用し、ユーザーにとって魅力的で、環境影響の少ない”環境効率”の良い製品を設計するための指針を得ようとしています。
システムデザイン工学科・創造生産工学コース 教授・足立 高弘 円すいを水に浸けて回転させることで起る面白い現象の数々 円すいの頂角を下向きにして水に浸し回転させることで、水質浄化や繊維の製造あるいは水面を移動するお掃除ロボットなどに応用できる興味深い現象が現れます!
システムデザイン工学科・創造生産工学コース 教授・神谷 修 世界で最も細くて最も強いソーワイヤの開発 ダイヤモンドも切断できる!毛髪の半分40μmのタングステンワイヤに3μmの硬い粒子を真空中で接合して世界で最も強くて細い切断ワイヤを開発中。製造装置も技術も秋田発です。
システムデザイン工学科・創造生産工学コース 准教授・髙橋 護 材料表面を強くするダイヤモンド皮膜 ダイヤモンドは、高硬度、耐摩耗性、高い熱伝導率等の優れた性質を持っています。このダイヤモンドを大気中のアセチレン-酸素の燃焼炎を用いて、切削工具、人工関節、歯科インプラント用材料の表面へ直接合成して、材料の表面を強くし耐摩耗性、耐久性を向上させる研究を行っています。このことにより、製品の寿命を長くすることが可能となります。
システムデザイン工学科・創造生産工学コース 准教授・秋永 剛 Seawater Greenhouseの研究 水・食糧不足問題の克服を目指し、動植物にとって厳しい環境である高温乾燥地帯において行えるSeawater Greenhouseを用いた農法について研究しています。沿岸部の適当な地域を選択すれば、(ほぼ)無尽蔵である海水・風・太陽光を基盤とするSeawater Greenhouse農法は、環境負荷が小さいばかりか、安価で単純な構造なので、アフリカ等にまだある裕福ではない地域においても十分導入可能な農法であると言えます。
システムデザイン工学科・創造生産工学コース 講師・平山 寛 人工衛星および宇宙探査機の研究 機械工学や軌道力学の観点から、人工衛星や月・惑星探査機のミッションアイデアを創造し、システムの実現性を研究します。現在は、宇宙ごみを除去する衛星、衛星の表面の異常を観察するカメラ装置、月面の溶岩洞窟に降下探査するロボット、小惑星の岩石サンプル回収装置、および惑星探査車に関する研究を行っています。
システムデザイン工学科・創造生産工学コース 助教・木下 幸則 原子間力顕微鏡を用いたナノ表面イメージング 原子間力顕微鏡は、鋭い探針と物質表面間に働く力を捉えることで、表面の凹凸や電気的、磁気的、機械的な性質をマッピングする顕微鏡です。大気中や溶液中など日常的な環境に置かれた表面でも観察可能で、原子が見えるほどの高い空間分解能を持ちます。また、探針で表面構造を動かし、人為的なナノ構造の作製も可能です。この顕微鏡を用いて、年々微細化が進む電子・磁気デバイスの動作評価や、表面で起きる新規な物理現象の探索を行っています。
システムデザイン工学科・創造生産工学コース 特任助教・佐々木 英一 水や空気の流れに潜む秩序 わたしたちの身の回りで見つけることができる水や空気の流れは乱流と呼ばれる不規則で複雑な運動をしています。乱流には、例えば、コーヒーにミルクを早く溶かすという、混合を促進する喜ばしい効果と、投げたボールの球速が落ちるという、抵抗が増加する避けたい効果があります。工学的に重要な性質がどのような流れの運動によってもたらされているか、興味を持っています。
システムデザイン工学科・土木環境工学コース 教授・松冨 英夫 津波、洪水、漂砂・海浜過程に関する研究 沿岸や陸上における津波の挙動や諸構造物への流体力(漂流物の衝突力を含む)の解析、ダムや河川堤防などの決壊による氾濫流の挙動や流体力の解析、秋田県南部海岸における漂砂動向や海浜過程の解析を行っています。
システムデザイン工学科・土木環境工学コース 教授・浜岡 秀勝 社会問題を解決する新たな道路交通システム 自動車は地方都市ではなくてはならないものですが、その利用が増えると交通事故・交通渋滞など多くの問題が生じています。こうした社会問題を解決するために、自動車1台1台の移動経路や走行速度を高精度で記録できるプローブデータを利用した交通流解析や、ラウンドアバウト・二段階横断・プロビーム照明など新たな交通施設の導入可能性に関する研究を行っています。
システムデザイン工学科・土木環境工学コース 教授・後藤 文彦 木質構造や折り紙構造など各種構造物の研究 自然環境を守りながら、森林資源を有効活用するため、軽くて加工しやすい木材の特性を活かした木橋など、木質構造についての研究を行っています。また、折り紙構造やハニカム構造などの様々な構造物の性質をシミュレーションや3Dプリンタを用いて解析し、土木構造物に応用するための研究を行っています。
システムデザイン工学科・土木環境工学コース 教授・徳重 英信 コンクリートの耐久性と環境調和性能の向上 積雪寒冷地にさらされるコンクリートの劣化メカニズムやそれを基にした耐久性の向上に関する研究、石炭灰フライアッシュやもみ殻灰などのポゾラン材料といわれるものを材料の一部に用いたコンクリートの性能改善などを行なっています。さらに、ゼオライトを用いた保水性能や物質吸着性能を有したポーラスコンクリートの機能と耐久性に関する研究や、サンゴ育成基盤なども対象とした環境調和型コンクリートの研究開発を行なっています。
システムデザイン工学科・土木環境工学コース 准教授・荻野 俊寛 月面浅層地盤の弾性波速度推定に関する研究 月面模擬土を用いた室内弾性波速度試験によって月面浅層地盤の弾性波速度分布の推定を行っています。
システムデザイン工学科・土木環境工学コース 准教授・日野 智 高齢者が安全・安心に暮らせる社会のための都市・交通 秋田県は高齢化が進んでいますが、高齢者にとって暮らしやすい環境ではないと考えられます。そのため、高齢者が生活に安心を感じられるような、充実感や満足感を感じられる生活を送ることができるような都市を研究しています。また、生活の様々な活動をする上では交通による移動が必要不可欠ですが、現在の公共交通に不便さや不安を感じる人は少なくありません。そのため、高齢者も利用しやすい公共交通についても研究しています。
システムデザイン工学科・土木環境工学コース 准教授・高橋 良輔 コンクリート構造物の設計と維持管理の高度化 コンクリート試験隊の破壊実験と、新しく作るコンクリート構造物や劣化したコンクリート構造物の破壊をシミュレーションできる技術を開発し、それらの構造物がどのように破壊するのか、どの程度の荷重に耐えられるのかを調べて設計や維持管理に役立てています。
システムデザイン工学科・土木環境工学コース 講師・渡邉 一也 津波避難シェルターを使用した避難に関する研究 従来の高所避難のみに注目した避難だけでなく、浮体式津波避難シェルターと併用したハイブリッドな避難手法について検討しています。秋田県は低平地が多いので大規模な津波が来た場合には避難する時間があまりありません。その中で命を助けるための研究をしています。
システムデザイン工学科・土木環境工学コース 講師・渡邉 一也 河口部における地形変化と入退潮に関する研究 秋田県には一級河川が3本あり、河川によって特徴があります。特に砂州の伸長が顕著である米代川では地形の影響を大きく受けます。現地観測やデータ解析、数値解析から河口水理特性についての検討を行っています。その結果、河口幅は、最大で約20m以上の拡大、閉塞する場合には最大で約10m程度となることが分かりました。地域の河川に関しての研究をしています。
システムデザイン工学科・土木環境工学コース 講師・渡邉 一也 水災害による被害調査 津波や洪水などの自然災害はいつ起きるか分かりません。しかし、そういった中で、被害の状況について調査し、また、それを今後の防災に役立てることは非常に重要です。被害拡大に繋がる要因について、観測・解析の両面からの研究を行っています。
システムデザイン工学科・土木環境工学コース 講師・渡邉 一也 津波の河川遡上に関する研究 河川を遡上した歴史津波の数値計算から過去の津波においても高水位維持現象が見られました。津波周期は流入量と流出量に対して相関が見られない一方で、入射波高に対して流入量と流出量は明瞭な増加傾向がありました。過去の津波の状況を知ることは、今後の防災計画を立てる上で重要な研究です。
システムデザイン工学科・土木環境工学コース 講師・渡邉 一也 波浪データを使用した海上風の予測に関する研究 時間分解能の高い波高・周期データの観測が可能なHFレーダを使用した海上風の推定を行う手法について検討を行っています。従来行われていた手法の係数の決定方法についても新しい係数の決定法について検討しています。海上の風の状況について知る研究を行っています。
システムデザイン工学科・土木環境工学コース 講師・野田 龍 地域材を活かした土木構造物の開発 地域にある木をいかに有効に活用できるか、に着目して、土木構造物への適用方法について研究しています。
システムデザイン工学科・土木環境工学コース 助教・田口 岳志 固化・破砕を伴う泥炭セメント安定処理土の動的強度・変形特性に関する研究 国土が狭い日本は、急な傾斜のある危険な場所や、軟弱な柔らかい地盤の上に居住施設を建設することが多々必要となります。秋田県では「泥炭(でいたん)」という腐食した植物から作られた土が沢山存在しており、とても柔らかくて、そのままでは構造物の重圧には耐えられません。そこで本研究では、泥炭をセメントで固めて、構造物を載せても大丈夫な強い地盤を作り上げる研究を行っています。
システムデザイン工学科・土木環境工学コース 助教・平川 知明 水面波と浮体の相互作用に関する研究 海洋開発において重要となる、水面波と浮体の相互作用を高精度で数値計算する方法を開発しています。
システムデザイン工学科・土木環境工学コース 助教・平川 知明 第三世代海洋波モデルを用いた海洋波に関する研究 第三世代海洋波モデルを用いて、日本沿岸の波浪特性について調べています。
システムデザイン工学科・土木環境工学コース 助教・網田 和宏 酸性雨が森林環境に与える影響に関する研究 酸性雨には、人間活動に由来する窒素分が含まれています。これらの窒素が、長期に渡って森林に供給され続けると、いずれ森林は「窒素飽和」の状態になり衰退することが知られています。そこで、森林域の河川や渓流水に含まれる窒素を調査・分析することで、森林が現在、どのような状態にあるのかについて研究しています。

※発行日現在で休業・休職中の教員は除く