NEWS&TOPICS
NEWS&TOPICS

秋田大学国際資源学研究科に渡邊絢子助教が着任しました

 

渡邊絢子助教が4月1日付けで資源政策コースに着任しました。
先生からのメッセージをご紹介します。

「4月に着任いたしました、渡邊絢子です。専門は国際人権法と国際政治学で、国際規範がどのように形成され、変容し、人々に受け入れられるかもしくは力を失っていくのか、といったことに関心があります。今特に注目しているのは、「ビジネスと人権」と呼ばれる規範です。
国際人権法の下、国家には人権を守る義務があるのですが、残念ながら義務を果たす能力や意思が国家にない場合があります。一方、多国籍企業をはじめとするビジネスアクターは、今や国家をしのぐ力を持っているように思われますが、社会に正の影響をもたらすだけでなく、人権侵害や環境破壊などの負の影響を引き起こしてしまうことがあります。世界のどこで活動しようとも、ビジネスには人権を尊重する責任があるのではないか。これが「ビジネスと人権」という規範の中心となるコンセプトです。
資源・エネルギー業界は、「ビジネスと人権」という規範が生まれる最初期から、こうしたテーマに取り組んできた先行事例です。それは、資源・エネルギー業界が社会に与える影響の大きさに、一部由来しているでしょう。また、資源・エネルギー業界は先行事例であるだけに、続く他業界に対し、多くの課題や教訓を示してくれています。どうしたら正の影響を最大化し社会を豊かにできるのか、そしてどうしたら負の影響を是正し最小限にできるのか。資源・エネルギー業界がどのように変化をしてきたのか。ここ国際資源学部で、工学や理学の知識も取り入れながら、引き続き研究に励んでいきたいと考えています。
授業では、主に資源と人権との関係についてお話していきます。国際資源学部の皆さんにとって、人権について深く学ぶのは、もしかしたら最初で最後の機会かもしれません。人権というテーマは、耳をふさぎたくなる不都合な話題が多く、社会で敬遠されがちです。就活で使えるウケのいい知識でもないでしょう。しかし、皆さんの人生の中で、人権と無縁の瞬間はありません。人権の考え方は、皆さん自身や、皆さんの大事な人、そして知らない遠くの誰かを守るために既に使われています。皆さんが不安や恐怖を感じたときは、人権の考え方を使って状況を整理したり、抵抗することができます。皆さんの多くがこれから働くであろう企業や自治体も、人権について考え方をアップデートし、また「ビジネスと人権」のコンセプトを事業に取り入れ始めています。ですが、規範とは時にバックラッシュに遭い、社会が古い考えに逆戻りしてしまうことがあります。皆さんの頭の片隅に、人権というコンセプトをずっと覚えていてもらえるように、授業を行っていきたいと思います。どうぞ宜しくお願いいたします。」