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高大接続テキスト

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高大接続テキストとは?

写真:高大接続テキスト

 「高校の授業内容と大学の授業内容や研究内容の繋がりが見える」というサブテキストです。高大接続テキストを活用することで、「大学で学修するための前提となる高校での学習」がわかり、「高校での学習がどのように大学で展開深化されていくか」がわかるサブテキストなのです。

 「高大接続テキスト」は、あくまでサブテキストであり、総合的な教科書ではありません。テキスト作成の中心は大学教員ですが、「高大接続」にふさわしい内容になるように、高校教員からも参加してもらい、意見や題材の提供をしてもらいます。高校と大学の教員が協力して作成するテキストです。

 作成する科目は、物理・化学・生物・数学・英語・情報の6科目です。
 平成23年度中に、物理・化学・生物のテキストを、平成24年度中に、数学・英語・情報のテキストを、完成する予定です。

 11月18日に、高大接続テキスト作成のための大学教員合同会議を行ないました。12月8日に、理科3科目について第1回目の高校教員大学教員合同会議を行ないました。 他に例のない初めての事業なので、手探りの状態からですが、着実にスタートしています。

 どんなテキストが出来るのか、楽しみです。

高大接続テキスト作成のための物理デモ実験

 物理の高大接続テキスト編集委員の後藤文彦先生が、より良いテキスト作成のためにオープンキャンパスでデモ実験を行いました。物理の高大接続テキストは実験中心の内容で編集していくことになっています。今回の実験はテキストの題材として準備しているもので、高校生の関心度や反応を見る機会になりました。デモ実験は、高校生の目にどう映ったのでしょうか。当日取材に行き、先生からお話を伺いました。

今回展示されたのは、「振り子の運動」と「モーメントのつりあい」の二つです。

『オープンキャンパスでの展示実験では、高校生の反応はどうでしたか。』

写真:『オープンキャンパスでの展示実験では、高校生の反応はどうでしたか。』

実は、研究室を訪れた高校生が十数人と非常に少ないのですが、研究室まで来てくれた高校生たちは、高大接続テキスト用の展示も研究室の折り紙構造やオンサイト木橋の展示も熱心に話を聞いていました。

あまりに訪問者が少ないので、大学会館の前に15個の振り子の小さい方(12個の振り子)を持っていって、通行中の高校生に宣伝したりしてみました。15個の振り子は割と有名な実験装置で、ネット上で動画が話題になっているのは知っていたのですが(というか私もそれを見て今回、作ってみようと思った訳ですが)、テレビなどでも紹介されていたようで、「あ、これ知ってる」とか、「実物を見れたのでよかった」みたいな反応が結構ありました。

ただ、通行中の高校生の方は、文系の学生もいたのでしょう。「角振動数の差が一定になるようにしてあるんだけど」みたいな話をすると、引いていってしまう人が結構いました。その点、研究室に来た高校生の方は、多少難しい話をしても熱心に聞いてました。

15個の振り子は、高校生の興味をひきつけるには、いい教材ではないかと思います。調整が難しいですが。二つの体重計に角材を渡した装置も、体重という個人情報性の高いものを一緒にいる人たちに見られたりするというところで、特に年頃の高校生には、ちょっとどうかなとも思ったのですが、興味を示して、進んで乗ってみる高校生も割といました。

『今回の実験を通して、学生に知ってほしいことは何ですか。』

振り子の角振動数だの周期がどうとか、モーメントのつりあいがどうのといったことを机上の問題のみで、あれこれ説明されても、今ひとつ実感がつかめなくて、面白みがなく、そのせいでなかなか理解できなかったりということがあるのではないかと思いますが、そういう物理現象の意味を、「振り子の周期がだんだん合ってくる」とか「角材に立つ位置を右の方にずらすと分配される体重も右の方が大きくなる」といった実感と結びつけて想像したり理解したりする助けになってくれないかなと考えています。

『実験教材の製作秘話があったら教えてください。』

写真:『実験教材の製作秘話があったら教えてください。』

15個の振り子は、私もウェブ上で動画を見て、ぜひ作ってみたいと思いたって作ってみることにしたのですが、やはりなかなか調整が難しいです(根気のいる調整作業は、実際には研究室の学生さんたちにお願いしました)。まず、角振動数の差が一定になるような振り子の長さは、とても手計算で計算する気にはなれなかったので、シミュレーションプログラムで計算させることにしました。が、その計算通りの長さに調整しても、なかなか振り子の動きは、シミュレーション通りには行きません。これには色々な原因が考えられます。

まず、重りに何を使うかというところから悩んだのですが、安い金額で買えそうな球形のもので、糸を取り付けるフックなども取り付けやすいということで、白色の直径50mmのスーパーボールを特注しました。しかし、スーパーボールでは、空気にぶつかる面積に対して重さが十分でないようで、空気抵抗の影響をかなり受けるようで、揺れの減衰が早くだんだん周期が合わなくなってきます。

写真:『実験教材の製作秘話があったら教えてください。』

そこで、釣り用の重りなどもためしてみたのですが、これは、重いぶん空気の抵抗は受けにくいものの、形が球ではなく、滴型で、重心位置が重り中央ではないので、どうも糸と重りのつなぎ目のところで回転しようとする動きが出てしまい、周期がだんだん合わなくなります。

という訳で、恐らく、鉄球などの重い球形の重りを、糸の取り付け部分も含めて特注するのが最も望ましいのだと思いますが、これは予算的に難しいところです。

『先生から、ぜひ学生に伝えたいことは何ですか。』

写真:『先生から、ぜひ学生に伝えたいことは何ですか。』

物理(やその中で使われている数学)というのは、ちょっと考えただけではよくわからない現象を理解したり予測したり、あるいは、構造物や機械などのモノを作る基本的なツールだと思います。このツールをあるレベルで使いこなせるようになることは、物事を理解したり、予測したり、モノを作ったりする上での基本的なスキルを修得しているということであり、これはもちろん、仕事上でも役に立つでしょうが、趣味や暮らしの中の自由度が広がり、楽しいことが増えると思います。

 

 

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