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学長メッセージ

 大学としてどう行動し、何をなすべきなのか。大学の存在理由とは何か。平成23年3月11日の東日本大震災はあらためて、大学への課題を投げかけました。
 私はこの春、学長職4年目を迎えました。進むべき道への迷いはありませんが、この未曾有の危機を秋田大学へ課せられた試練ととらえ、自らの役割を果たすべく挑み続けていきたいと考えています。
 大学は教育研究活動に多様性と普遍性をもち、世界水準を意識した学舎です。私は本学がその独自性を発揮すべき点として、以下の二点を提示します。
 一つは、秋田大学がこれまでにも増して地域に根ざし、必要とされる存在であり続けることです。教育文化、医学、工学資源の三学部からなる本学は、これまでも全国有数の高い学力水準を支える教員育成と地域医療、そして研究や人材育成を通じて地域産業の発展に寄与してきました。
 平成21年に立ち上げた「秋田大学横手分校」や、平成22年に設置した「秋田大学北秋田分校」はそれらの思いを具象化したものであり、高等教育機関のなかった地域へ、あらたな知の拠点となることを目指しています。
 これらの分校では、「論」だけではなく、実践を通じて学生諸君が学び、その姿が地域の活性化に結びつきます。学生たちには豊かな地域資源から未来に生きる術(すべ)を学んで欲しいと願っています。
 県内自治体の要請を受け、この春には学内に、地域創生センターも立ち上げました。地域と秋田大学がより強固な関わりを持つための架け橋として育てていきます。
 もう一つは、建学以来の伝統を強力に賦活しようということです。それは、各学部が誕生した経緯・期待・責務を再度、確認し、実践していくことにつなげることです。
 本学の前身は秋田鉱山専門学校です。これを例に考えてみます。
 建学以来培ってきた資源学の教育研究は、本学しか持ち得ない「資源」であります。世界的な資源需要の高まりや資源再利用の動静に、本学独自の知的活動を持って向き合いたいと考えています。
 平成21年に設置した「国際資源学教育研究センター」は、単に国内の資源教育と研究の拠点だけではなく、アジアやアフリカの新興資源国からも期待されています。これらの地から秋田大学に陸続と参集した若き学生・研究者たちが、ひいては資源のない国・日本との架け橋となります。
 教育文化、医学も同様です。何を期待され、果たすべき役割は何なのか。問い続け、実践する視点を持ち続けたいと考えています。
 地域・世界を視野に入れた独創的な挑戦。そこに集う者が誇りを持ち、社会にとって必要な存在になる。地方の国立大学に課せられた使命は重いだけでなく、ロマンに包まれています。

 

国立大学法人秋田大学長 吉 村  昇