志 立 正 知  SHIDACHI, Masatomo
職  名教授
所  属秋田大学 教育文化学部 日本・アジア文化講座
研究分野日本文学
担当授業「日本の古典文学」「日本文化基礎論」「日本文化論」「日本文化論講読演習」など
研究者総覧

【研究テーマ・関心事 】

  1. 『平家物語』を中心とした中世軍記の研究。近代の小説など、作者の創造力によるフィクションとは異なる、歴史記録としての側面をもった軍記が、どのように作られ、人々に享受され、それが史実とは異なる「歴史」として定着し、「歴史」にまつわる伝承などを生み出し、それが再びテクストに還流してくるのか、というメカニズムについて研究しています。文学と歴史を虚構と史実と捉えるような二元論的視点ではなく、これがあいまいに重なり合って、人々の歴史認識を作り出していた前近代のあり方に注目しています。
  2. 歴史を生み出すメカニズムとしての伝承研究。「ある事件が起こり、その記憶が人々によって語り伝えられてきたもの」というのが従来の伝承についての一般的認識です。しかし、記録を詳細に調べてみると、それらの多くが、数百年間の空白をへて、江戸時代のある時期から、突如文字記録として姿を現すケースが多いことに気付きます。さらに、現代に伝わる伝承が、江戸時代の記録とは全く異なる内容に変貌している場合も少なくありません。こうした伝承が生み出されていくメカニズムと、それが浸透することで人々の間に新たな歴史認識が作り出されていく現象を、秋田をフィールドとして具体的に研究しています。

[主な著書・論文]

  • 『『平家物語』語り本の方法と位相』汲古書院、2004年
  • 『西行歌枕』(編著)マガジンマガジン社、2008年
  • 『〈歴史〉を創った秋田藩―モノガタリが生まれるメカニズム―』笠間書院、2009年

【卒業研究ゼミの紹介】 1. 対象分野の概要・構想  2. 留意事項等

  1. 日本文学およびそれに関連した日本文化に関する研究を扱います。(1)言語芸術と捉えて、鑑賞を軸として作品を分析・解釈し、作家・作品の特質を明らかにする研究方法。(2)文化現象の一様態として捉えて、作品の内部およびその背景などから当時の文化的状況(社会的・思想的・宗教的etc)を明らかにする研究方法。大きくは、この二つの方向性を踏まえて卒業研究を進めます。
  2. 卒業研究は自分自身で論を構想し、資料を集め、検証を繰り返し、論として完成させるまでのプロセスが最も重要です。そのためにも、日頃から幅広い視野と探求心を養ってください。

【卒業研究題目例】

《伝承研究》「東北地方における小野小町伝承の形成と展開」「岩手県における義経北行伝説の形成と展開」「増間話の誕生―千葉県南房総市増間地区における伝承の形成過程―」
《日本文化研究》「秀吉政権の舞台装置としての聚楽第」「近世遊女における《聖なる性》の再検討」
《古典文学研究》「宇治橋姫像の形成と変貌」「実朝歌の背景〜『金槐和歌集』を中心に〜」「『一遍聖絵』に見る結縁衆としての非人」「『落窪物語』における道頼の人物像」
《近代文学研究》「村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』―作品から見る自我の問題―」「芥川龍之介の王朝物作品の研究」「太宰治作品に見る<性格の悲喜劇>」など

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