夏休みに家族で防災について考えてみませんか?【鎌滝孝信】(26.8.8)

 秋田県内各地で過去に地震の被害が発生していることは,「あっきーくんの防災コラムABC」で繰り返し触れられています(例えば,「教えて!なまず先生!~秋田県に被害を及ぼした歴史地震」など)。過去に大きな地震が発生しているということは,今後も起きることを念頭にしなければなりませんが,地震への備えは十分でしょうか?今回のコラムでは,家族で一緒に考える防災についてお話ししたいと思います。

 東日本大震災から3年5ヶ月が経ち,震災の記憶や今,家族の防災意識を高めるため,夏休みの1~2日を使って一度地震や防災について家族で一緒に考え,話し合っていただきたいと思います(お子さんの自由研究の課題としてもおすすめです)。
(1)地震を学ぶ,(2)過去に発生した地震による痕跡を訪ねる,そして(3)自宅周辺の危険箇所を認識する,という一連の作業は普段の土日ではなかなかできないと思いますが,この夏休み期間に一度ご家族で体験していただけると,家族の間で防災に関する共通認識を持つことができるのではないでしょうか。


(1)地震を学ぶ(所要時間:約半日~1日)
 まずは図書館等で地震に対する備えや地震への対処方法などを学ぶことや,今年の3月にリニューアルされた「秋田県防災学習館」(秋田県消防学校に併設:由利本荘市岩城内道川字築館1-1)で地震の揺れを体験してみることをおすすめします。ここには初期消火を体験するコーナーや煙の中を避難することを体験するコーナーなどもあり,災害の発生時に役立つ様々な知識を身につけることができます。また,地震や津波をはじめ,自然災害は同じ場所で繰り返しやってくるため,防災・減災活動の第一歩は,自分が生活する土地やその周りで過去にどのような災害があったかを理解することから始まります。にかほ市の「象潟郷土資料館」(にかほ市象潟町字狐森31-1)では,1804年に発生した「象潟地震」について学ぶことができます。自宅でインターネットなどを活用し,過去に身近な所で発生した地震をはじめとする様々な自然災害について調べてみることも良いでしょう。


(2)過去に発生した地震の痕跡を訪ねる(所要時間:約1日)
 内陸や海陸境界域で大きな地震が発生すると,陸上にその痕跡が残されることがあります。そのような痕跡は秋田県周辺にもいくつかあり(以下の①~④など),それらを実際に訪ね,見ることで地震のエネルギーの大きさや大地の息吹を肌で感じてみてください。
またその場で,このような大きな力を持った地震から自分達の身を守るために何をすべきかを,皆さんで話し合っていただきたいと思います。



<写真1> 地震で隆起し干上がった昔の海底面(2012年8月鎌滝撮影:青森県深浦町千畳敷)
写真の海面上に露出した平らな岩礁(千畳敷)は,地震で隆起する前は海の底だった。




<写真2> 地震で隆起し干上がった潟湖跡(水田)と小さな島々(2013年11月鎌滝撮影:秋田県にかほ市象潟町)




<写真3> 1896年陸羽地震によって出現した断層崖 写真中央を左上から右下に横切る崖(2013年11月鎌滝撮影 秋田県美郷町)



(3)自宅周辺の危険箇所を認識する(所要時間:約半日~1日)
 自宅の周辺や通学路など,普段の生活に密接に関係した場所を家族で一緒に歩き,地震等の自然災害が発生したときに危険な場所(例えば,大きな揺れで倒れてきそうなものはありませんか?)を認識しましょう(写真4:防災町歩き)。また,自宅や通学路からの避難場所への安全なルートを確認し,家族の共通認識とすることが大切です。ここで見つけた地域の危険箇所や安全な避難ルートは,自宅に帰ってから「防災マップ」として地図にまとめてみましょう。




<写真4> 小学生が通学路で防災ウォーキングをおこなう様子
(2013年8月鎌滝撮影:秋田県男鹿市 男鹿市立船川第一小学校の当時5年生児童と先生方)


 最後に,ご自宅の点検をしてみてください。寝室に地震の揺れで倒れてくるタンスなどはありませんか?家具やテレビ,冷蔵庫などの重量物は適切に固定されていますか?普段の生活でほんの少し防災を意識することで皆さんの防災力は飛躍的に向上し,自分や家族そして周りの人の命を災害から守ることにつながります。
 貴重な夏休みですが,将来の自分や子どもたちのために今回のコラムで取り上げたような数日を過ごしてみませんか?