地域創生センターが人材育成事業として実施している「防災教育」について(28.1.13)【鎌滝 孝信】

 秋田大学地域創生センターでは,当センターでおこなっている「防災教育出前授業」や,秋田県教育委員会がおこなっている「防災教育外部指導者派遣事業」を通して,県内の保育園,幼稚園,小中高等学校など各種学校における防災教育に積極的に携わっています。また,大人に対する「防災教育」も,秋田県総合防災課が実施している「自主防災組織育成指導者研修会」をはじめとする各種研修会,講演会等を通して多数実施しています。それらの回数は,平成23年9月に地域創生センター地域防災部門が発足してからの約4年間で,合計260回を数えるまでになりました。しかしこれらの活動は,時間の制約上どうしても座学中心の講義形式とせざるを得ません。一方,防災を自分自身のこととして考えるためには,身近なところで過去に起こった災害を知ることや,身近なところに潜む危険を察知する能力を養うことが大切です。したがって,過去に起こった地震で生じた痕跡を実際に観察することや,地域を歩いて地震が発生した際の危険箇所等を探すことといった野外での活動が必要と考えます。そこで当センターでは,小学生とその保護者の方を対象とした野外観察と講義をセットとした防災授業「秋田県で発生した地震の歴史を探る~防災意識を高めよう~」と,小学生を対象とした防災マップ作り「地域を知ろう!災害を知ろう!~自分たちの住む町を知るための防災教室」を始めました。前者は8月8日(土:にかほ市)と10月3日(土:美郷町)に,昨年度に引き続き2回目の企画となる後者は11月29日(日:秋田市)に実施しました。今回のコラムではそれらの事業を簡単に紹介します。

「秋田県で発生した地震の歴史を探る~防災意識を高めよう」
 第1回は8月8日(土),にかほ市で実施しました。この授業の会場となったにかほ市象潟は,1804年7月10日(文化元年6月4日)に発生した象潟地震で大きな被害を受けた地域です。その際に象潟周辺は2m程度地盤が隆起し,4~5m程度の津波が来襲したとされています。今回の授業では象潟地震で隆起した場所を歩き,蚶満寺など九十九島周辺を観察しました(写真1)。第2回は10月3日(土)に美郷町で実施し,1896年(明治29年)8月31日に発生した陸羽地震の際に地表に現れた痕跡(写真2)や,断層を境に地層がずれている様子を観察しました。2回とも午前中に屋内で地震や防災に関する講義をおこない,象潟地震や陸羽地震の知識を教えた上で野外観察にてその痕跡を確認するというスケジュールで進めました。野外で実際に地震の痕跡などを観察しているときの児童の目は,普段の防災出前授業などで接するときよりも輝いていたように感じました。


「地域を知ろう!災害を知ろう!~自分たちの住む町を知るための防災教室」
 11月29日(日)に秋田市桜児童センターにて実施しました。桜台および大平台に住む小学校2年生から6年生までの13人が参加し,それぞれの住む地区の防災マップを作成しました。午前中に桜台,大平台を中心に桜地区で防災ウォーキングをおこない(写真3),通学路など普段生活している場所に潜む危険箇所を探り,午後は,室内で防災マップ作り(写真4)をおこないました。最後にそれぞれのグループで作った防災マップの発表をしてもらいましたが,普段歩き慣れている道でも,意識して歩くことによって地域に潜む危険箇所に気づくことができた様子でした。


 次の自然災害から子どもたちを守るためには,子どもたちの「防災意識の高揚」を促し,「災害から自分の命を守るすべ」を身につけることができるよう,工夫しながら様々な防災・減災教育をおこなっていくことが重要です。当センターでは今後もこのような授業を開催していきますので,ぜひふるってご参加ください。また,これらの授業に参加した後には,ご家庭で「防災・減災」について話し合う時間を持ち,防災意識の高揚に役立てていただきたいと思います。

※地域創生センター地域防災部門では,来年度も上記事業を実施する予定です。実施の際には,秋田大学ホームページや各自治体広報誌等を通じて,皆様にお知らせします。


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