高大接続アカデミック授業(数学)を行いました。【秋田県立秋田高等学校】H31.3.18

曲線の投影を模型で観察しているところ

 

定理の説明をしているところ

 

 秋田県立秋田高等学校において,理数科クラス2年生34名を対象に,高大接続アカデミック授業を行いました。
 これは高大接続教育部門数学WGの活動の一環として実施したもので,事前に高校教員と大学教員が協働で題材選定や教材開発を行い,当日は本学の小林真人准教授(理工学研究科)が授業を担当しました。
 今回の授業は「接線を引いて曲線のかたちをしらべる」をテーマに生徒が自ら考え,体験し,発見することをねらいとして行われました。
 はじめに,今回扱う曲線,角や交差がなく一般的な閉曲線の説明をし,観察の対象の確認をしました。模型を見ながら,そのような曲線の,様々な方向への投影について考え,投影に関して特別な点があることを観察しました。それらをグラフに表現することを考え,実際に幾つかのグラフを見て形を確認しました。
 次に,そのグラフと曲線の間にどのような関係があるのかを考えました。具体的には,グラフの一般点,カスプ,交点が曲線の何に対応するのか考え,話し合いをしました。その答えとなる定理を紹介し,曲線と接線の変化について確認しました。
 最後に,ここまでの話と微積分の関係や,くし刺数から曲線の長さを求める定理(Croftonの定理)が簡単な積分で証明できることを紹介しました。接線を引くことは曲線を微分することであり,逆に積分することで曲線を描くことができることを確認しました。また,この定理がcosの積分を用いて,高校生でも理解できるように証明できることを紹介しました。

●授業後の感想の一部を紹介します。
・とても楽しかったです。久しく忘れていた数学的なおもしろさを思い出した気がします。図やモデルがわかりやすくて良かったです。
・数学は根本的に様々な視点で考えることのできる科目で,様々な視点で試行錯誤することが大事だと思った。また,定理や定義を導き出す手順を考えることの大切さを実感できた。
・普段考えないようなことについて深く考え,様々な視点で見る大切さを学べた点。
・決められた法則に従って計算するだけでなく,自分たちでその法則を見つけるという作業をやらせて頂いたのですごく楽しかったです。
・段階的に質問と答えを重ねて最終的に面白い結論にたどりついたこと。適当に書いた図形から色々なことに広がっていって楽しかった。