秋田大学演劇サークル「きたのかい」

 

 私たち学生広報スタッフは11月7日(木)に、今年度10月19日(土)・20日(日)に開催された秋大祭で公演した、秋田大学演劇サークル「きたのかい」の小野寺駿さん(学部2年生)に話を伺いました。
 「きたのかい」は66年の歴史を持つ演劇サークルで、部員は約40名います。下は学部1年生、上は修士課程2年生が所属しており、夏と冬の年に2回定期公演を行っています。秋大祭公演「ヒーローズ・イン・ザ・ワールド」はまさに『どんでん返しのどんでん返し』、人を引き込む大きな力を感じました。7月に行われた夏公演「SUPER RICH MAN 灰崎」から秋大祭公演まではたった3か月。今回この3か月でどのように準備されたのかを中心に話してもらいました。
 基本的に次回の脚本は、前の公演から考えており、今回は既存の脚本を使用し、演出はサークルのメンバーが担当したそうです。メンバーは7つの担当に分かれており、どれか1つに所属しています。担当の仕事の他に、演出や役者の仕事を担うときもあるそうです。
 3か月の主な流れについて、「脚本・演者を1か月以内に決め、大道具・小道具は2か月前から準備しました。演出担当と相談して、『舞台図』(※)についての会議や、衣装も相談して作ります。ぎりぎりまで作り直しました」と語ってくれました。今回印象的だった殺陣のシーンについて「演者の中に殺陣の経験がある方がいて、教えていただきました。今回は1ヶ月もなく、殺陣も1週間以内に体でも覚える必要があったので本当に時間がありませんでした」と笑顔で振り返ってくれました。
 一番大変だったことを伺うと「今回、新体制になって初めての公演でした。例年だと2,3本の脚本で公演しますが、今回は1本に絞ったため時間配分が大変でした」本番ギリギリまでの準備の中、乗り越えられたのは先輩の存在だそうで、「今回演者の方たちが基本的に学部4年生や修士課程の先輩でしたので、経験談やアドバイスをいただいて乗り越えられました。私は、裏方に徹していて、今回表に立ってみて、どちらも大変なことが分かりました。当日、雨が降っていた中、予想以上の方が観に来てくださり、とても嬉しかったです」と語ってくれました。

 最後に12月28日(土)に秋田文化会館小ホールで行われる冬期公演「七人の語らい ~ワイフ ゴーズ オン~」に向けて意気込みを伺いました。「年末ではありますが、めげずに頑張ります。ぜひお越しください!」

 秋田の演劇ムーブメントを支える彼らを、この年末是非観て欲しいです。


(※)舞台、音響、照明の仕込み図全般を描ける仕込み図記号のこと。

(取材:武石、カメラ:橋本)