【講習番号2134S039】講習の質問に対する回答

受講者からお寄せいただきました質問・意見に、講師から下記のとおり回答がありましたので、お知らせします。

Q1.世界レベルの視点から見た化学の発展と影響、今後の課題が本講習の内容だったと思いますが、先生ご自身、これからどういう化学技術が必要とされると思われるか聞きたいです。「こういうのがあったら…」と思いつかれるものがありますか。

A1.「これからどういう化学技術が必要とされると思うか」というご質問に対して、私の個人的な考えでお答えします。
いろいろな技術が必要とされると思いますが(#9)、エネルギーの貯蔵と輸送(#7)、淡水の浄化(#6)、廃棄物の処理(#11)に関連するものが特に重要と思います。
 太陽光や風力などの自然エネルギーへの依存が今後大きくなっていきますが(#13)、これらは季節や気象条件で生産量が大きく変動するので、安定に利用するためには貯蔵手段が必要です(#9)。電池の大容量化や、高エネルギー物質(水素やアンモニア)への変換効率向上は、化学が大きく貢献する課題です。二酸化炭素を排出しない高エネルギー物質の生産は、海外からエネルギーを輸入するために重要です。水は農業や人間の生活に欠かせないですが(#2, 3)、利用可能な淡水の不足が世界的に危惧されています。限られた水資源を繰り返し使うために、汚染物質を取り除く技術(#14)は世界中でますます利用が増えるでしょう。まだまだエネルギー消費が大きいですが、海水の淡水化も増えると思います。排水中の汚染物質も含め、人類の活動によって出た廃棄物は、物質やエネルギーを消費して生産されたものに由来しています(#12)。
 これらを処理するために、さらに大量のエネルギーを投入するのではなく、物質やエネルギーを回収しながら無害化するのが理想的でしょう(#15)。これには化学だけでなくバイオ技術など他分野との協力(#17)も重要で、微生物を利用した燃料物質やプラスチックの生産などが実用化されつつあります。
 いずれについても新しい技術を開発するだけでなく、従来の技術を普及させていくことによって、世界中の人が不平等なく恩恵を受けられるよう(#1, 5, 8, 10, 16)取り組む必要があると思います。

Q2.初めに、講師の先生の自己紹介があったらよかったかなと思いました。

A2.講師の自己紹介がなくて失礼しました。来年度は改善を考えますが、ここで簡単にプロフィールを紹介させていただきます。
秋田大学教育文化学部 学校教育課程 理数教育コース
教育文化学部では、有機化学や化学実験の講義を担当しています。この他大学院理工学研究科では、専門分野の「有機金属化学」の講義も行っています。この分野は、金属を触媒に使った有機合成や、金属化合物を使った材料を研究するものです。
私は、水素や窒素などのガスを反応に使う酵素を手本にして、これらの物質を利用するための触媒を研究しています。