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国立大学法人秋田大学ハラスメント防止・対策ガイドライン

国立大学法人秋田大学ハラスメント防止・対策ガイドライン (平成21年5月14日人権倫理委員会)

1.ガイドラインの目的

 このガイドラインは、国立大学法人秋田大学(以下「本学」という。)を構成するすべての教職員、学生並びに大学関係者が、個人として基本的人権が尊重さ れ、ハラスメントのない快適な教育・研究環境及び職場環境が確保されるよう、ハラスメントの防止・対策のための必要な事項を定めるものです。

2.ガイドラインの適用範囲

 このガイドラインは、本学を構成するすべての者を対象とします。即ち、本学で就労する役員、職員(常勤、非常勤、派遣、委託を問わない)及び就学する学 生(学部学生、大学院学生、留学生、研究生、聴講生、科目等履修生等)並びに本学関係者(学生の保護者、関係業者及び患者等)のすべての者が対象となりま す。
 なお、本学構成員の離職後又は卒業後など、本学を離れた後においても、在職中又は在学中に受けたハラスメントに関する相談を行うことができます。また、加害者とされる者が既に本学を離れている場合も同様です。

このガイドラインは、ハラスメントが本学構成員の相互間において問題となる場合には、それが発生した場所・時間帯を問わず適用されます。

3.ハラスメントに対する基本的態度

 ハラスメントは、人種、国籍、性別、出身地、宗教、思想、信条、年齢、職種、障害の有無、身体的特徴等、広く人格にかかわる事項において、相手の意に反 する不適切な言動により、相手の人格、尊厳を傷つけ、相手に不快感を与え、あるいは教育・研究・医療上や就労上の不利益を与えるなど、教育・研究環境や職 場環境を悪化させます。

 本学は、ハラスメントを事前に防止し、また、ハラスメントが発生した場合には被害者の救済に努め、加害者に対しては迅速・厳正に対処します。

4.ハラスメントの定義

 ハラスメントには、さまざまな種類がありますが、大学において問題となる典型的な例としては、次のようなハラスメントが想定されます。ただし、これらの 分類にあてはまらない場合や、加害者の意図にかかわらず、その行為を受けた側が不快と感じたときには、ハラスメントになることがあります。

(1)セクシュアル・ハラスメント

相手の意に反する性的な言動により、相手に不快感や不利益を与えたり、教育・研究環境や職場環境を悪化させたりすることをいいます。また、性に関する固定観念や差別意識・優越意識に基づく言動なども含まれます。 セクシュアル・ハラスメントでは加害者と被害者の性の区別はなく、それが同性間の場合でも成り立ちます。更に、加害者と被害者の立場の差に関係なく、学生から教職員に対しても成り立つ問題です。

(2)アカデミック・ハラスメント

自らの優位な地位や権限を利用して、相手の意に反する不適切で不当な言動により、相手の教育・研究活動に不利益を与え、人格的な誹謗中傷や嫌がらせ、就労・就学上の嫌がらせ又は不利益を与えることをいいます。

(3)パワー・ハラスメント

職務上優越的地位にある者が、その地位や権限を利用して、相手の意に反する不適切で不当な言動により、その部下や同僚の就労意欲及び職場環境を著しく悪化させ、就労上の嫌がらせ又は不利益を与えることをいいます。

(4)妊娠・出産等に関するハラスメント

上司又は同僚が、女性教職員の妊娠・出産等に関する状態について、言動により職場環境を著しく悪化させ就労上の嫌がらせ又は不利益を与えることをいいます。

(5)育児・休業等に関するハラスメント

上司又は同僚が、相手の育児・介護休業等の制度の利用等について、言動により職場環境を著しく悪化させ就労上の嫌がらせ又は不利益を与えることをいいます。

※ハラスメントに関する事例については、「ハラスメントの事例等」を参照してください。   

5.構成員の責務
(1) 学長、部局長等の責務

 学長は、ハラスメントの防止及び対策に関する施策等全般について責任を負い、また、部局長及び職員・学生等を監督する立場にある者(以下「部局長等」という。)は、ハラスメントのない快適な環境を確保するために、日常の執務又は教育の中で指導等を行い、ハラスメントに関する認識を深めさせるとともに、ハラスメントに起因する問題が生じた場合には迅速かつ適切に対処する責任を負います。

(2) 構成員の責務

 本学のすべての構成員は、個人の人格を尊重する高い意識を持ち、他の人の尊厳を傷つけることとなるハラスメントを起こさないこと、また、その防止に努める義務を負い、ハラスメントによる教育・研究環境及び職場環境の悪化を防ぐため、次の事項に留意しなければなりません。

  1.  何気ない行為でも、状況・背景によっては、相手に対し大きなプレッシャーを与えることを認識し、自分の地位・立場や権限を踏まえ、言動に留意することが肝要です。
  2.  加害者の意識・意図にかかわらず、その行為を受けた側が不快と感じたときには、ハラスメントになることがあります。むしろ、加害者のこのような無自覚がハラスメントの被害を生み出したり、ハラスメントを放置したりする結果になることを深く認識する必要があります。
  3.  ハラスメントについて問題提起する構成員を、いわゆるトラブルメーカーと見たり、ハラスメントに関する問題を当事者間の個人的な問題として結論づけることなく、周囲に対する気配りをし、必要な行動をとることが大切です。
6.ハラスメント防止対策の体制

 本学では、ハラスメントの防止及び対策に適切に対応するため、人権倫理委員会及びハラスメント対策室を設置しています。

人権倫理委員会では、ハラスメントに基因する問題が発生した場合やハラスメントに関する苦情相談について、その対応策や問題解決のため、調査委 員会による事実関係の調査など必要な措置を講じます。即ち、事案に応じて、調停委員会の設置、被害者の救済、加害者に対する措置及び教育・研究・職場環境 の改善等を学長又は部局長等に対して要請又は報告します。なお、調査委員会は、必要に応じて当事者又は関係者から事情を聴取する場合がありますが、構成員 はこの調査に協力する義務を負います。

 ハラスメント対策室では、ハラスメントに関する相談受付やアドバイス、問題が発生した場合の初動調査やその対応、ハラスメント防止等の啓発・広 報活動、ハラスメント相談員に対する研修会等の実施など、人権倫理委員会及びハラスメント相談員と緊密に連携し、ハラスメント防止対策に取り組みます。

7.ハラスメント相談員の配置

 本学では、ハラスメントに関する苦情相談(以下「相談」という。)に対応するため、ハラスメント対策室での定期的な相談受付のほか、各部局ごとにハラスメント相談員(以下「相談員」という。)を配置しています。

 相談は、相談者の所属部局等にかかわらず、いずれの相談員にも相談ができます。また相談はハラスメントの被害を受けたとされる者だけではなく、被害を受けたとされる者の代理人、被害を目撃した第三者からでも受け付けます。

  相談は、相談員との面談によることが原則ですが、電話、メール、手紙によって行うこともできます。面談は、2人以上の相談員(うち少なくとも1 人は相談者と同性の相談員)により対応することを原則としますが、相談者が希望する場合は、1人の相談員により対応することも可能です。相談員は相談者の 立場に立って相談を受け付けるとともに、相談者の了解のもとに、その相談内容を文書に記録し、相談者の確認・了解を得た上でハラスメント対策室(人権倫理 委員会)に報告します。また、相談員は、その後も必要に応じて相談者及び被害を受けたとされる者のサポート役を務め、相談受付後の経過等について、相談者 に対して説明を行います。

8.ハラスメントへの対処

 相手の言動により、あなたが「不快だ」「不利益を受けている」と感じたら、相手に対して言葉と態度で拒否の意志をはっきりと伝えてください。無視した り、受け流したりしているだけでは、必ずしも状況は改善されません。相手の立場に関係なく勇気を持って拒否し、自分の意志をはっきりと相手に伝えることが 大切です。相手に「ノー」といえない場合でも、あなたの責任ではありませんから、自分を責めることなく、一人で悩むことなく、友人、同僚など、信頼できる 人に相談しましょう。一人で我慢しないで、まず身近な人に相談することも大切です。

 ハラスメントにあった場合に、自分一人の力で解決するのは非常に困難なことがあります。本学の相談員やハラスメント対策室は、ハラスメント問題を解決す るために、第一に被害者の意志を尊重し、その救済にあたるものですから、安心して利用してください。一人で相談しにくいときには、友人や同僚等の付添人の 同伴も認められます。

 相談にあたっては、ハラスメントに関する証拠のようなものは必ずしも必要としませんが、相談後の調査を円滑に進めるために、可能であれば加害者とされる者 から受けた言動「いつ・どこで・誰から・どのようなことをされ、または言われたか」などを記録しておいてください。他に証人になってくれる人がいるときに は、その人にあとで証言してもらうことの確認をとっておくことも必要です。

 あなたの周りでハラスメントを受けている人がいたら、勇気を持って助けてあげましょう。加害者に注意したり、被害者の証人になったり、相談に乗ってあげたりしてください。また、相談員のところへ相談に行くよう勧め、必要に応じて同行してあげてください。

9.問題解決の手続き
(1) 指導・助言による解決

人権倫理委員会は、相談員や調査委員会又は他の相談窓口(学生相談所、保健管理センター等)からの報告・意見を踏まえ、ハラスメントと認定した事案に対し、被害者の要請を考慮して次のような対応を行います。

  1.  被害者の要請があり、加害者の同意がある場合、話し合いで解決できるよう当事者に指導・助言します。
  2.  ハラスメントの加害者を監督する立場にある部局長等に対して、加害者への改善等の指導・助言をするよう要請します。この場合、併せて、被害者の保護を求め、当事者の人権及びプライバシーに十分配慮するよう求めます。
(2) 臨時の対応措置

 人権倫理委員会は、ハラスメントと認定する前であっても、ハラスメントの疑いのある行為が継続しており、かつ、事態が重大で緊急性があると認める場合 は、被害を受けたとされる者の了解の上で、被害を受けたとされる者、加害者とされる者及び関係する部局長等に対して、臨時の対応措置をとります。

(3) 懲戒等の措置による解決

 人権倫理委員会は、調査委員会からの報告を受け、当該事案をハラスメントと認定し、かつ、懲戒を含む措置が必要と判断した場合には、学長又は当該部局長等に勧告を行います。 なお、学長又は当該部局長等に勧告する内容及び勧告に伴う学長又は部局長等がとる制裁若しくは救済等の措置には、次のようなものがあります。

  1. 行為が悪質な場合の懲戒解雇、退学等の処分を含め、加害行為の程度に応じた必要な措置
  2. 被害者に対する心理的ケアを含む救済及び援助
  3. 再発防止のための「授業停止」「教職員の交代」「必修単位の代替措置」「ゼミ・サークルの活動停止」「職場等の環境改善命令」等の措置

 学長は、本学としての対応を被害者に知らせるとともに、当事者のプライバシーに十分配慮した上で、当該事案を内外に公表します。

10.プライバシーの保護・守秘義務

 相談に応じた相談員、人権倫理委員会委員等のすべての関係者は、相談者を含む関係者のプライバシー、名誉、その他の人権を尊重しなければなりません。また、相談で知り得た秘密を漏らすことは固く禁止されています。

11.不利益取扱いの禁止・保護等

 相談者を含む関係者に対して、相談、必要な改善・救済措置等を理由とする報復及び不利益な取扱いは固く禁止されています。関係者の秘密の漏えい、プライ バシー若しくは名誉を害する行為又は報復若しくは不利益な取扱いが行われた場合には、人権倫理委員会は、直ちに必要な調査を行い、学長又は部局長等に対し て適切な措置(懲戒等)をとるよう勧告します。

 また、ハラスメントに関する虚偽の申立又は証言は許されません。人権倫理委員会は、虚偽の申立又は証言があったと認めるときは、学長又は部局長等に対して適切な措置(懲戒等)をとるよう勧告します。

12.ガイドラインの見直し

 このガイドラインは、必要に応じ適切な見直し及び改訂を行います。

  • 附 記
    このガイドラインは、平成21年5月14日から実施します。
  • 附 記
    このガイドラインは、平成29年1月1日から実施します。