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新エネルギー開発研究事業

本事業の概要:

 二酸化炭素排出量の低減が喫緊の課題である本国において、再生可能エネルギーの積極的な導入が進んでいる。秋田県は自然エネルギーに恵まれており、特に秋田県沿岸部は風力発電の好適地である。洋上に風車を設置する洋上風力発電は、陸地での風力発電では実現できない多くのメリットを与える。そのため、本国の再生可能エネルギーの中心は洋上風力発電に移行していくと予測される。
 発電地から需要地までの距離が長いほど、送電ロスが増えるため、発電地近辺での電力消費がエネルギーの効率的利用につながる。秋田県沖では、豊富に供給される再生可能エネルギーを積極的に活用した新たな街づくり、すなわちスマートエコシティに飛躍できる可能性がある。
 電気自動車の技術発展は目覚ましく、従来のガソリン車に匹敵する航続距離を有する電気自動車が市販されるようになった。その技術発展は二次電池などの蓄電デバイスの技術革新の寄与が大きい。電気自動車の普及は運輸部門からの二酸化炭素排出量を大きく削減できる可能性がある。洋上風力発電で発生した電力を、充放電効率が高い二次電池を搭載した電気自動車で利用できれば、風という資源を地元住民の交通利便性と地域環境性の向上に活用できる。
 さらに、豊富な再生可能エネルギーを利用して水素やアンモニアを効率的に発生する技術、発生させた水素とアンモニアを貯蔵・利用する技術、さらには、二酸化炭素を電解還元することで有用物質に変換する先進的な技術が、洋上風力発電の沿岸地域の重要な産業として発展する可能性がある。
 本研究事業では、秋田県で豊富に発生する再生可能エネルギーを地域で効果的に活用し、地域の発展に寄与できる次の研究を実施する。

本事業における研究内容:

1.秋田県沖の風況データと沿岸部のエネルギーフロー解析、地域経済解析

・地理情報システムに基づく分析
・時空間情報に基づく分析
・地域エネルギーシステムの設計

2.豊富な再生可能エネルギーを導入した電力系統の挙動解析

・洋上風力発電を導入した電力系統における電力需要と供給の安定度に関するシミュレーション
・蓄電池を導入した場合の最適な電力供給制御方式の模索

3.再生可能エネルギーを貯蔵する大容量蓄電デバイスの開発と運用技術

・リチウムイオン電池用の新規正極材料
・リチウムイオン電池用の新規負極材料
・瞬時応答に優れた大容量キャパシタ用電極材料
・リチウムイオン電池の充放電特性および余寿命予測シミュレーション

4.豊富な再生可能エネルギーの効率的活用技術

・新たな高効率水素製造用多孔質ニッケル
・新たな高容量LaNi系水素吸蔵合金の製造技術
・アンモニアを燃料とする燃料電池技術
・二酸化炭素の有用化合物への変換