地域文化学科「地域連携プロジェクトゼミ」の授業紹介②(福島肉店チーム)

2017年07月26日

地域文化学科 地域社会コース 臼木智昭


  以前ご紹介しました、地域文化学科の3年次のコアカリキュラムである「地域連携プロジェクトゼミ」という授業で、学生と地域の方々との触れ合いを通じて課題に取り組んでいる様子を紹介したいと思います。

●改めて「地域連携プロジェクトゼミ」とは
  前回(5月30日)この授業をご紹介しましたが、「地域連携プロジェクトゼミ」は、地域文化学科では「地域活性化に貢献する現場実践人の養成」を目指し、学生が地域企業と協働して課題解決に取り組む授業です。
 実際に現場に足を運び、地域の課題を見つめ、地域の資源を発見したりしながら、企業と一緒に具体的な解決策を提案するといった、「現場力」を身に着ける実習中心の授業です。
 現在17カ所の実習先で40名ほどの学生が実習を行っているところです。

●「福島肉店」チームの活動の紹介
  今回ご紹介するのは、私が窓口役を担当しています、有限会社福島肉店でのプロジェクトです。
 有限会社福島肉店は、大正7年創業のお肉とお惣菜の専門店です。「グルメストアフクシマ」として、オーガニック(安全安心な食材をベースに、人と人との有機的なつながりを基本とするコンセプト)な地域づくり、地元産の農産物にこだわった商品の提供に力を注がれています。
 創業当時からの人気商品「コロッケ」など、遠方からわざわざ車でお弁当やお惣菜を買い求めに来るお客様もいらっしゃるほど、地元では有名なお店です。
 実習のテーマは、創業100年を迎えるにあたり「コンセプトブック」を作成する予定があり、学生が資料や情報を収集して、コンセプトブックの内容について企画を提案するというものです。
 情報収集にあたっては、ご来店されるお客様はもちろん、地域の方々からお話しをお伺いすることになっています。

 6月から活動をスタートさせ、これまでは、調査企画の検討、地域の活性化に努力されている方へのインタビューなどを行ってきました。
 先日7月15日(土)には、福島肉店の福島専務が中心メンバーとなっている、オーガニックな地域づくりを体現したイベント「ひのめ市」が開催されました。
 学生もそうした地域活性化の現場を体感しながら、地域の元気や賑わいづくりについて、参加者の皆さんへインタビューをさせていただきました。
 ひのめ市は、今回で3回目となりますが、男鹿市船川地区の商業エリア(JR男鹿駅・男鹿市役所から数分)をメイン会場に、男鹿市内はもちろん、秋田市などの県内や、遠くは東京や岩手から、59もの出店者が参加しており、当日は家族連れ、若いカップルなど、普段はあまりみられない世代の皆さんで賑わっていました。

 インタビューでは、男鹿に対する思いや、地域の活性化に向けた課題、出品されている商品についてのこだわりなどについてお伺いしました。
 その中で、みなさんが、地元産の材料や地元産の商品に「こだわり」と「誇り」をお持ちだということがわかりました。
 特に、地元産であることは、安心・安全であると同時に、お互いに顔の見える関係をベースにした関係をつくることができる点を強調されていました。
 地域資源というと、すぐに「独自性」とか「唯一無比」といったことに目が行きがちですが、地域のコミュニティのなかで「顔の見える関係」こそが地域資源ではないかと気付かされるインタビューでした。

 今後は、地域以外で開催されるイベントへの参加や、ご来店されるお客様へのインタビューを重ねる予定です。
 資料や情報の収集に目途が立ち次第、コンセプトブックの企画検討へと進んでいく予定です。また機会がありましたら、ご報告させていただきます。


写真1 ひのめ市のメイン会場と出展者です (第2会場は近くのお寺「大龍寺」でした)



写真2 会場の様子です



写真3 インタビューの様子 (炎天下でもみなさん丁寧にご協力くださいました)



写真4 インタビューの様子2


●興味をもっていただいた方へ
 2017年7月29日(土)に、秋田大学オープンキャンパスを開催します。教員および在学中の大学生とも直接お話できますので、是非、お越しください。オープンキャンパスの情報は大学のWebページをご覧ください。