横手市で間引きスイカ活用の勉強会を開催

2014年08月07日

地域文化学科 地域社会講座  池本 敦


 8月5日(火)に横手市文化交流センター・Y2(わいわい)プラザで間引きスイカ活用についての勉強会を開催しました。駅前にあり、入り口付近の「にぎわいひろば」は、カフェとして利用されていました。フリースペースとして、様々なイベントにも活用されるそうです。


横手市文化交流センター・わいわいプラザ


 Y2プラザは中心が天井の高い吹き抜けのある開放的なアトリウム構造で、夏休み中の高校生が集まり、勉強を行っていました。1階のオープンスペースでは、今年の夏開催された高校野球・秋田大会の写真展が開催され、観覧に訪れた市民で賑わっていました。


プラザ内で勉強している高校生



高校野球の写真展の様子


 Y2プラザ3階には、秋田大学横手分校が入居しており、同じフロアの研修室で勉強会を行いました。勉強会には根岸分校長も参加してくださり、いろいろとご助言をいただきました。


秋田大学横手分校・根岸分校長


 私たちは廃棄される間引きスイカの活用にも取り組んでいます。小型の間引きスイカには高血圧予防成分が含まれていることが分かり、そのエキス(BWE; Baby Watermelon Extract)を健康食品原料として利用する活動を行っています。


勉強会の様子1


 今回は横手市総務企画部の小田島さん、辻さんや高橋さんが中心となり勉強会をセッティングして下さり、農林部マーケティング推進課の方々も来ていただきました。横手市内の食品関連の民間企業の皆様に参集いただき、最初にBWEエキスの開発の経緯と現在の研究状況を私から説明しました。その後、意見交換の時間が設けられ、活発な質疑応答や具体的な相談がありました。今後、BWEエキスを活用した食品の開発がどんどんと進むことを期待しています。


勉強会の様子2


 秋田大学からは産学連携推進機構の昌子智由先生と教育文化学部の学生が参加し、地元の高校生の参加もありました。食品開発の現状をしっかりと勉強していただき、将来、是非とも食品産業分野で活躍して欲しいと思います。勉強会後の懇親会では、本物の横手焼きそばをいただきながら、率直な意見交換をさせていただきました。


横手焼きそば


 単に上に目玉焼きが載ったものが横手焼きそばだと誤解されがちですが、本物の横手焼きそばは麺の断面が丸ではなく四角で、炒める前に茹でられています。実は昨年度、すでにBWEエキスを添加した横手焼きそばが試作されており、健康機能が付加されるだけでなく、麺の食感も良くなる可能性があることが分かっています。焼きそばとスイカという異質なコラボレーションの今後に期待したいと思います。

 

潟上市で学部2年生が聞き取り調査の実習を行いました

2014年07月22日

地域文化学科 植村 円香



 毎年、学部2年生の「地理学実験Ⅰ」の授業で、聞き取り調査の実習を行っています。平成26年度は、7月12日(土)に潟上市役所昭和庁舎にて、同市豊川地区の住民の方々に、「潟上市豊川地区の人々の暮らしの変化」をご自身の体験をもとに語っていただきました。終始和やかな雰囲気で聞き取りができました。これから学生さんは、聞き取り内容をまとめる作業に入ります。


真剣にお話しを聞く学生さんたち



実習にご協力いただいた潟上市豊川地区の皆様・
潟上市役所の方々と学生さんたち


 
 潟上市豊川地区の皆様、潟上市役所の皆様、ご協力いただきありがとうございました。


 

山菜を活用した化粧品・健康食品

2014年07月09日

地域文化学科 地域社会講座  池本 敦



 東京に本社のある化粧品企業の(株)アルビオンは、「エクサージュ」や「アンフィネス」、「エクシア」などの高級化粧品ブランドを有する会社ですが、秋田県藤里町の廃園となった保育園跡地を活用して、2010年にアルビオン白神研究所を開設しました。先日、私たちは同研究所を訪問し、秋田県の山菜を活用した化粧品の開発について、共同研究の相談を行いました。


藤里町のアルビオン白神研究所


 内装の一部のみを研究用に改装しただけで、保育園の建物の外観や内装のほとんどはそのまま保存されており、地域に溶け込んだ施設となっています。卒園生の子供もたまに遊びにやって来るそうです。アルビオン白神研究所は農地(ファーム)を併設し、ヨモギや各種ハーブなど、化粧品の原料となる植物を栽培しています。通常は東京の会社に勤務されている社員の方が交代で勤務されています。


アルビオン白神ファーム


 昨日は、アルビオンの原さんと産学連携推進機構の伊藤さんと一緒に美郷町の企業さきがけ・佐藤さんの農園を訪問しました。私たちは秋田でよく食べられる山菜のホンナ(一般名:ヨブスマソウ/イヌドウナ)にメラニン色素産生を抑制する成分があることを見出し、美白用の化粧品素材として活用することを目指しています。佐藤さんとその地域の方々のグループは、3年前より私たちのプロジェクトに賛同し、ホンナを栽培されています。


美郷町でのホンナ栽培の様子


 有効成分を高めるための栽培法を検討するために、天然物を移植したものや種子から栽培したものなど、条件の異なるホンナを提供いただき、今後、大学で成分の分析を行う予定です。当日は天候もよく農園の傍らで青空会議を開き、今後の事業の方針について相談しました。


ホンナ栽培についての青空会議の様子


 その後、美郷町で最近注力されているラベンダー園を視察しました。紫の花が一面に咲き誇り、平日にもかかわらず、観光客でにぎわっていました。現在【6/28(土)~7/13(日)】は、美郷町ラベンダーまつりの期間で、出店も多く賑わっており、見学にはちょうどよい時期でした。


美郷町のラベンダー園


 美郷町では白い花が咲くラベンダーの品種「美郷雪華(みさとせっか)」が開発され、2013年2月に品種登録されました。大変珍しく、一見の価値ありです。この「美郷雪華」から採取した酵母を使った純米酒が開発され、今年6月に発売されました。華やかな香りと、爽やかなのど越しが特徴の純米酒に仕上がっています。


白いラベンダーの新品種「美郷雪華」


 先日の間引きスイカプロジェクトに引き続き、ホンナやアケビなどの活用を目指した活動の様子についても、再度NHKに取材していただきました。現在、特定保健用食品(トクホ)だけに認められていた機能性表示が、他の健康食品にも解禁される転機を迎えています。今回の規制緩和に合わせ、秋田県の食品産業の振興のために協力したいと考えています。来週7/14(月)18:10のNHK「ニュースこまち」の特集で放送される予定ですので、ご興味にある方はご覧下さい。



 

地域と連携した活動

2014年06月25日

地域文化学科 地域社会講座  池本 敦



 私たちはアケビを活用した健康食品や化粧品素材の開発を目指していますが、先日、関係者が集まり
アケビ活用についての会議を開きました。名古屋から日本メナード化粧品(株)の八代氏、大阪から化粧品
素材商社である(株)JTSの高田氏に来訪いただき、秋田市雄和町にある素材開発企業の(株)坂本バイオ・後藤氏とともに、由利本荘市矢島町の矢島小林工業(株)を訪問しました。秋田大学からは私と産学連携推進機構・伊藤慎一特任講師が参加しました。


アケビ活用の会議の様子


 以前紹介しましたが、本来、金属・機械部品メーカーである矢島小林工業(株)は、私たちのプロジェクトに賛同し、新規事業として3年前よりアケビ栽培を開始しました。本年4月より、アグリ事業推進室を組織し、アケビ栽培農園の運営と加工食品の開発を目指しています。


アケビ栽培農園


 6月の現時点では、アケビの実はまだ緑で小さいものでしたが、栽培が順調に拡大している様子を関係者で視察しました。今後、これらを活用した秋田発の化粧品や健康食品の開発を精力的に進めたいと思います。


アケビ栽培の様子


 また、今はちょうどスイカ収穫のシーズンですが、私たちは廃棄される間引きスイカの活用にも取り組んでいます。小型の未成熟な間引きスイカには、大型の成熟スイカにはない高血圧予防成分が含まれていることが分かり、健康食品原料として活用することを目指しています。私たちは間引きスイカの抽出物をBWEエキス(Baby Watermelon Extract)と命名し、これを健康食品原料として、様々な食品に添加して活用してもらう計画を横手市と共同で検討しています。詳細は以下のPDFファイルをご参照下さい。

[ BWEエキスとスイカ糖をブレンドした「粋果の夢」 ]


 その第一弾として横手市雄物川町のおものがわ夢工房で開発されたのが、BWEエキスとスイカ糖をブレンドした「粋果の夢」です。ペースト状の食品で、ジャムのように使用できます。今週は、おものがわ夢工房を産学連携推進機構・昌子智由准教授と一緒に訪問し、今後のBWEエキスを活用した食品開発の方向性について相談しました。今回は夢工房・佐藤イチ子代表が開発された食品をいくつかいただきました。下の写真の左上がスイカ糖の「粋果の雫」、中央がBWEエキスを活用した「さなずら」、右側がBWEエキスを活用したクッキーです。いずれも甘さ控えめで、BWEエキス独特のほのかな苦味が感じられ、美味しく仕上がっていました。


BWEエキスを使用した食品


 今回は、私たちの間引きスイカ活用プロジェクトの活動の様子をNHKに取材していただきました。来週
7月1日(火)朝7:45の「おはよう秋田」で放送される予定ですので、ご興味のある方はご覧下さい。




 

臨床心理相談室ってどんな所?

2014年06月19日

学校教育課程 こども発達コース  臨床心理相談室室長  髙田知恵子



 手形キャンパスの最南端5号館1階にピンクの壁の「秋田大学臨床心理相談室」があります。2012年の
5号館の改修に伴い、それまでバラバラに配置されていた面接室をワンフロアに集約させ、装いも新たに
利用しやすい施設になりました。利用者の方からも「きれいになりましたね」と好評です。


臨床心理相談室正面



受付です


 待合から見た廊下 右のドアは面接室です


 秋田大学内にありながら、なかなか内部を知る機会も少ないと思いますので、この場をお借りして秋田大学臨床心理相談室について少しご紹介します。
臨床心理相談室は一般の方の心理相談(子育て、学校不適応、家族問題、対人関係や性格行動の悩み等々)を受けています。そして臨床心理学分野大学院生の実習の場としても機能しています*。
*大学院心理教育実践専修臨床心理学分野は臨床心理士の養成機関であり、財団法人日本臨床心理士資格認定協会から第1種指定大学院の認定を受けています。
秋田大学教育文化学部附属教育実践研究支援センターに所属しています。なお、この臨床心理相談室は学内向けの学生相談機関ではなく、学外の一般市民向けの相談機関です。

 臨床心理士の資格を持つ教員8名(常勤5名、非常勤講師3名)と臨床心理学分野の院生が相談ケースを担当しています。院生は教員の心理面接の陪席に入ることから実習を始めます。そして1年次の後半から教員の指導を受けながら実際にケースを担当します。大学院修了後は即戦力になれるように、みんな頑張っています。

 個人面接は面接室で、ご家族などグループの面接は集団療法室で、お子さんに遊んでもらいながらこころをほぐすプレイセラピーはプレイルームで、それぞれ行っています。同じ時間帯にお子さんはプレイルームで、親御さんは面接室で行うという並行面接もあります。またカウンセラー等の専門家向けにアドバイスを提供する、コンサルテーション・スーパービジョンも行っております。
昨年度(2013年度)の総来談者数は91名、総面接回数は595回でした。


面接室A


 面接室B



集団療法室


 プレイルーム いろいろな遊具を揃えています


 相談申し込み受付時間は9:30-16:00です。面接は有料です(初回受付面接2850円、並行面接2360円、個人面接1910円、コンサルテーション・スーパービジョン4500円等)。  詳細は臨床心理相談室受付までお問い合わせください。(電話018-889-2578)












 

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