附属小学校児童が国の予算作りに挑戦して未来を考える!

2017年02月03日

林信太郎(理数教育コース)


2017年2月2日,附属小学校では,財務省の財政教育プログラム授業が行われました。講師は財務省本省の広報室の佐久間寛道室長です。佐久間先生は麻生太郎財務大臣が会見を行うときには必ず横でサポートをしていますので,新聞の写真やテレビによく写っています。また,当日はサポートスタッフとして12名の方が東北財務局や秋田財務局からいらっしゃいました。受講者は6年生の3クラス全員です。
 事前の授業で公的サービスや国の財政の役割についてお話を聞いたあと,


講演する財務省の佐久間先生生

いよいよ国の予算作りのグループワーク(3〜4名)に入ります。さすがに○○兆円といわれても実感がわきませんので,100人の村の100万円の予算をつくることになりました。


真剣に予算作りに取り組む子どもたち

 この村には,国と同じく高齢者が多く,しかも借金がたくさんあります。子どもたちは真剣に悩みながら,「社会保障を大幅に減らすとお年寄りが困るから少しだけ減らすことにしよう」「それじゃあ,借金が減らないよ」などとつぶやいていました。まるで,みなさん本物の財務大臣のようでした。おもしろいことに各グループ,予算編成のビジョンがちがい,それぞれしっかりとしたコンセプトのもとに予算を編成していました。
 途中休み時間が10分あったのですが,子どもたちはその間も議論を続けています。たいへんな盛り上がりでした。また,この間講師の佐久間先生や財務省のスタッフは各グループをまわり,様々なアドバイスをしていました。本物の国の予算を作っている方からコメントがもらえたのです。
 30分のグループワークのあとは,子どもたちが考えた予算の発表です。それぞれの予算編成のコンセプトは,「国の借金を返すことを第一にしながらも,少子化対策を行い安心な社会を作る」「消費税を増やす代わりに社会保障費を増やし,お年寄りが困らないようにする」などです。「複合的な視点がすばらしい」と佐久間先生からお褒めの言葉をいただきました。発表とそれに続く質疑応答はまるで国会でのやり取りを聞いているようでした。


自分たちで作った予算を発表

 今回の授業の感想を6年生の皆さんに聞くと「バランスを取るのがむずかしかった」「こちらを減らすとあちらを減らさないといけないというところにとても悩んだ」など,国の予算作りの難しさを実感として学ぶことができました。6年後には選挙権を得て国民主権の担い手となる6年生のみなさんにとって,今回の授業は,たいへん重要だったと思います。また,難しい課題にグループで挑戦することで,社会的事象についてしっかりした考えを持つことができました。
 今回の授業にあたりましては,たいへん多忙な中,秋田までお越しいただき,授業をしていただいた佐久間寛道室長と,前日から準備に入られ,入念な準備を行ってくださった財務省スタッフの皆さんに深く感謝いたします。





 

大曲高校訪問-模擬授業による大学での学びの発信-

2017年01月23日

佐藤学(理数教育コース)



大学での学びを高校生に伝えるため,第1回模擬授業フェスティバルの最優秀賞,優秀賞の2グループが秋田県立大曲高等学校に出向き,模擬授業を発信してきました。
模擬授業を行った2グループの振り返りを紹介させていただきます。

「大曲高校訪問を通して学んだこと」
今回,大曲高校の皆さんの前で模擬授業を行ってみて改めて,授業というのは教師だけでなく子どもたちと共に作り上げていくものなのだと再確認することができました。というのも,発表前のリハーサル段階では高校生の皆さんに対してどのようにアプローチすれば楽しんでもらえるかと,自分達もつい最近まで高校生だったのにも関わらずグループ全員で非常に悩んでいたのです。しかし実際に授業が始まると,高校生の皆さんはとても明るく,真剣な表情で私たち大学生の話を聞いてくれている様子で,私たちは何を恐れていたのだろうか…と思ってしまうほどでした。授業をしていると,どうしても「何を伝えれば良いのか?」,「子どもたちは本当に分かってくれるのか?」などと不安ばかりが先走ってしまいますが,常に子どもたちの目線に立って一緒になって考えることが大切なのだと気付く良いきっかけになりました。今回の取り組みで,教師の仕事や秋田大学のことについて少しでも興味を持ってくれる人がいたら幸いです。最後に,私たち大学生にこのような機会と場を与えてくださった大曲高校の皆様,秋田大学の先生方に心より感謝申し上げます。
(教育実践コース3年次,中村光)

「大曲高校訪問を終えて」
高校生の頃を振り返ると,私は大学に進学するとどのような学びが待っているのかが全く想像できませんでした。今回の高校訪問によって,少しでも高校生のみなさんが大学生はどんなことを学んでいるのかが,ぼんやりとでもつかんでもらえたら幸いです。
高校生のみなさんにとって,「模擬授業」や「学習指導案」のような教育に関わる用語は馴染みがないと思ったので,前もって補足をした上で授業を参観して頂けるように気を配りました。加えて,小学生に対してどのような指導上の配慮や工夫をしているのかが分かるように,授業を観る際のポイントも事前に少しだけ説明をしてから授業の実演に移りました。
授業を実際に実演している間,高校生のみなさんは事前に配布した指導案と照らし合わせながら授業を観ていた様子が窺えました。普段とは違い授業を受ける側でなく,第三者の視点で授業を観るという経験は高校生のみなさんにとっても新鮮な経験になったかと思います。ぜひ,私達の授業の実演から,普段受けている授業がどのような意図をもって行われているのかについて少しでも考えるきっかけになればと思います。
(教育実践コース3年次,鈴木 公貴)











 

神岡小学校の6年生が秋田大学を訪問!「理科実験特別授業」を実施しました。

2016年12月28日

林信太郎(理数教育コース)


秋田大学教育文化学部理数教育コースの理科教員グループは,12月22日(木)大仙市の神岡小学校の6年生を大学に招き「理科実験特別授業」を実施しました。
この授業は,児童たちが理科実験を通じて大学の研究者らと触れ合うことで,理科・科学への関心や意欲の向上を図ることを目的としています。
神岡小学校の子どもたちは3つのグループに分かれ,13:00から90分の間実験を行いました。
第1実験会場は附属中学校校長でもある川村教一教授の「山をつくろう,川を作ろう」でした。


「山をつくろう、川を作ろう」の説明をする川村先生


細かな砂とココアパウダーで地層をつくり,それをぎゅっと押して山を作ったり,粒の大きさ毎に異なる色のついた特殊な砂で川の流れと砂の動きを再現する実験を行っていました。子どもたちグループで活発に話し合いながら実験を行っていました。子どもたちは「川の流れ方の予想はまっすぐだったけど,岸が削られて流れがかわった」「山の盛り上がる様子がよくわかった」と話していました。


川の流れの実験を観察しました


第2実験会場は河又邦彦准教授による「プラナリアを切ってみよう」でした。


「プラナリアを切ってみよう」で説明する河又先生


小さくて不思議な動物,プラナリアが餌を食べる様子を観察して,その後プラナリアをカミソリで切る実験をしました。切っても血の出ない,そしてそのまま生きているプラナリアの不思議を顕微鏡で観察していました。「同じ動物なのに人間とちがって再生するところが不思議」「ちょっとかわいそうな感じがしたけど切っても動いていてびっくりした」などの感想がありました。


プラナリアをカミソリで切ってみる


第3実験会場は田口瑞穂講師による,


「磁石の不思議」銅線トンネルの中で磁石を走らせる田口先生


「磁石の不思議」でした。間に物を置いても磁石はひきつけあうこと,磁石をハサミで切っても小さな磁石ができること,


磁石をハサミで切る


電池に磁石をつけて銅線のトンネルに入れると動き出す様子など,たくさんの磁石の不思議を体験しました。「手で引き離せない強い電磁石にびっくりした」などの感想がありました。


 

平成28年度「卒業研究 中間発表会」を開催しました(地域科学課程・生活者科学)

2016年10月24日

西川竜二(地域文化学科 地域社会コース)


地域社会コースの西川です。大学は10月から後期が始まり、10月半ばに卒業研究の中間発表会を行ったので、今回はその様子を紹介します。
ここからは、私の指導学生の山口詠未さんに、レポートしてもらいます。

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秋田はすっかり肌寒くなり、朝晩は冬の気配を感じる10月も半分を過ぎました。就職活動もそれぞれ落ち着き始め、ほっと一息と思ったのも束の間、卒業研究に取り組む日々を送っている学生も多いのではないでしょうか。私もその一人できちんと研究を終えて卒業ができるように、担当教員のもと日々研究に励んでいます。

10月12日と18日の2回にわたり、卒業研究の中間発表会が行われました。私が所属する地域科学課程・生活者科学選修では最終発表だけでなく、構想発表と中間発表が行われています。学科や選修によっては、最終発表のみというところもあるようですが、研究を振り返ったり今後の見通しを立てたりする良い機会となっていると思います。

生活者科学選修では主に、食生活や食資源、健康・栄養、それから住環境などといった、身近な生活や地域活性に役立つ内容を扱っています。そのため研究のテーマは多岐に渡るものの、興味深い内容ばかりです。

<食生活・食資源・健康栄養の分野(指導教員:池本敦(1~4)、長沼誠子(5~10))>
1.高血圧症・肥満などの生活習慣病に有効な食品素材に関する研究
2.美容に有効な天然植物素材に関する研究
3.筋肉や骨の形成に有効な食品成分に関する研究
4.認知症予防に有効な山菜に関する研究
5.市民主体の食育事業の推進に関する研究-秋田市と食育関連団体を例に-
6.学校給食を通した食育に関する研究 -食嗜好に着目して-
7.「あきた伝統野菜」の食味特性とその活用方策に関する研究
8.食物への色彩付与による食味評価のコントロール
9.いぶりがっこの品質特性及び食味特性に関する研究
 -秋田大学オフィシャルいぶりがっこ 「いぶりばでぃ」の分析を通して-
10.秋田県産米「あきのきらめき」「つぶぞろい」の調理特性と嗜好特性に関する研究

<住環境・住生活の分野 (指導教員:西川竜二)>
11.秋田県内の生活支援ハウスの利用実態と冬期集住の可能性の検討
12.秋田県における戸建住宅への部分断熱改修効果のシミュレーション分析
13.若者の地域活動への参加が地域意識及び居住地選択に与える影響に関する研究
14.中心市街地の通行量調査の手法に関する研究
15.住環境教育の教材開発研究

中間発表に向けてこれまでの成果や試行錯誤の内容など、短い発表時間に分かりやすくまとめるのはなかなか難しかったのですが、改めて研究の目的や着地点を考える有意義な時間となったように感じます。また、発表後に学生や教員の方からいただいた意見を参考に、より一層研究に励んでいきたいと思いました。


写真1 発表の様子



写真2 学生間の質疑応答、教員からの質問・指導助言が行われました



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 ここからまた、西川です。発表の中で、13番のテーマは、「平成28年度 秋田大学教育文化学部卒業論文及び大学院教育学研究科修士論文テーマ公募」事業に採択されて取り組んでいる研究です。これは、教育文化学部が秋田県内の自治体・団体等に卒業研究のテーマを公募した結果、秋田県湯沢市からテーマの提案があり、その協力を得ながら行っている研究です。このように、本学部では、地域と連携した教育研究や地域貢献を重視しており、学生が望めば地域の自治体等と連携して研究に取り組む機会もあります。(この事業の報告会は、卒業研究の発表会とは別に、来年の3月頃に一般公開で開催されます)
(卒論テーマ公募: https://www.akita-u.ac.jp/eduhuman/guide/gu_theme.html)

 ここで紹介したようなテーマの学習や研究に興味・関心を持たれた高校生の方がいらっしゃったら、一緒に学び・研究しましょう。これから入学する人は、「地域文化学科(地域社会コース・生活科学領域)」で取り組むことができます。

(以上)





 

模擬授業フェスティバルを開催しました。

2016年08月24日

 

 

 

 

 

佐藤学(理数教育コース)


 秋田大学教育文化学部附属教育実践研究支援センターでは、学生の実践的課題を体系化、連続化を図るため本年度より模擬授業フェスティバルを実施することにしました。6月18日に60周年記念ホールを会場に開催しました。音楽研究室3年次グループからは音楽の授業、教育実践2・3年次グループからは算数の授業が提案されました。学生相互の協議の後、審査員の廣嶋徹先生、千葉圭子先生、山岡正典先生からご講評いただき、次の実践に向けて自信と課題をつかむことができました。最優秀賞に輝いた音楽研究室3年次グループの中村光さんの振り返りを紹介させていただきます。

【音楽研究室3年次グループ代表 中村 光】
 この度は、このような栄誉ある賞をいただきありがとうございました。正直なところ自分たちも受賞できるとは思ってもいなかったので驚いている次第であります。このような賞をいただけたのも、教材準備など様々な面でサポートしてくださった実行委員会の先生をはじめ、指導に当たってくれた音楽教育研究室の先生方、審査委員の先生方、そしてメンバー5人の支えがあったからだと思います。
 今振り返ると、この模擬授業フェスティバルに向けて活動してきた約2か月半は、中身の濃い充実した時間であったと思います。最初は「鑑賞」と「表現」「音楽づくり」を関連付けた授業実践は可能であるのかという課題に対して、自分たちでもできるのかと不安を抱えていました。そんな時、去年の実習を思い返し「もしも自分たちが子どもだったら」というところに立ち返ることで授業の本質が見えてきたような気がします。模擬授業フェスティバルを通して培った授業設計力や実践力をこれからの教育実習、将来につなげていけたらと思います。


 第2回は2月に開催したいと計画しています。授業実践を高めたいと思う仲間が増 えていくことを期待します。

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