第2回模擬授業フェスティバル開催

2017年03月07日

佐藤学(理数教育コース)


秋田大学教育文化学部附属教育実践研究支援センターでは、学生の実践的課題を体系化、連続化を図るため本年度より模擬授業フェスティバルを実施しています。去る2月16日に教育文化学部3-255教室を会場に第2回大会開催しました。
学外からの参加者を含む7つの発表がありました。発表内容は、小学校、中学校、高等学校の各校種、教科も国語、社会、算数・数学、理科と多様でした。また、審査には教職大学院の神居隆先生、廣嶋徹先生、千葉圭子先生に加え、秋田県教育庁中央教育事務所より小澤進指導主事にも加わっていただきました。学生相互の活発な協議と審査員の先生からのご講評から、次の実践に向けて自信と課題をつかむことができました。
最優秀賞に輝いたアフサン教育支部グループの武田太久実さん、優秀賞に輝いた数学教育研究室Aグループの宮内瑛之さんの振り返りを紹介させていただきます。

アフサン教育支部グループ代表 武田太久実
この度は図らずとも最優秀賞の栄に浴びましたこと,心より感謝申し上げます。これも,日々の先生方のご指導,学生仲間との学び合いがあったからと考えております。
私たちのグループは,理数教育コースの私と,授業者を行ってくれました子ども発達コースの時田紘志さんの2人で参加しました。今回は,異なる研究室の学生同士での参加ということもあり,自分にはない視点を取り組んでいきながらの授業づくりができました。そして,当日も審査員の先生方からのご指導と,参加学生のみなさんからの意見を頂くことができ,充実した活動となりました。
この活動に向けて,教員志望の時田さんと,研究者志望の私とで,それぞれの立場から取り組むこと,意見を交わし合うことで,各々の学びを深めることができたと思います。この模擬授業フェスティバルを通して得た経験と学びを,授業実践者,研究者の道で生かしていき,新たな時代の教育を担っていく者へと成長していきたいと思います。
また,模擬授業フェスティバルの一連の活動は,とてもよい経験となるため,ぜひとも後輩の学生のみなさんには,次回参加をしてみて欲しいなと心から思います。
最後に,ともに活動をしてくれました時田さんと,このイベントを支えてくださいました学生実行委員,先生方に感謝申し上げます。

数学教育研究室Aグループ代表 宮内瑛之
この度は同じ研究室の仲間と練り上げてきた授業を評価していただき、優秀賞を受賞できたことを大変光栄に思います。
私たちは『社会、文化とつながる数学』というテーマに沿って授業を考えてきました。このテーマは教育実習や他の経験を通して、メンバーが共通してもった課題です。課題を解決するための授業を考案していく中で、新たな課題にぶつかることもありました。例えば、時間配分の問題や、特に生徒が「他の学問とのつながり」を実感できることを重視するあまりに、身に付けさせたい数学の内容がないがしろになってしまうことが考えられました。そんな時、教育実習での成果を生かすことで、課題を解決していく方法を考えることができました。
私たちは今回の活動を通して、自身の経験から課題を見出し、それを解決していくことや経験から得た成果を生かしていくことを学びました。この学びは学校現場でも授業改善の観点から重要なことであり、すぐに実践できることであると考えます。今回の取り組みはあくまで模擬授業であるため、ここで結論付けることはせずに、実際の子どもの実態等に合わせた実践を通して、さらに考えを深めていきたいと思います。
最後に模擬授業をするにあたって、共に考えてきた仲間とご指導くださった先生方、本大会の実行委員の方々、並びに審査員の先生方に心より感謝を申し上げます。




















 

あきた十文字映画祭に、今年も地域文化学科学生がボランティアとして参加しました。

2017年03月06日

長谷川 章(人間文化コース)


 横手市では、毎年、あきた十文字映画祭が開催されています。今年で26回目となる、東北地方全体でも由緒ある映画祭ですが、今回は2/17(金)〜19(日)の期間に行われました。
 数年前から旧課程の国際言語文化課程の学生が毎年、会場ボランティアとして参加してきましたが、昨年からは新設の地域文化学科の学生も加わるようになりました。今年は、人間文化コース3名、地域社会コース1名、医学部保健学科1名が参加し、受付、フロア誘導、会場アナウンスなどで映画祭の運営に貢献しました(人間文化コース教員2名も正式スタッフとして参加しました)。
 映画祭実行委員会からは毎年、秋田大学学生の貢献は高く評価されています(学生で運営ボランティアをしているのは秋田大学生だけです)。さらに、今年度は地域文化学科学生を中心とした学内サークル、映画研究会が約20年ぶりに再発足しましたが、そこでのメンバーも映画祭実行委員会と緊密に協力し、地域密着の映画祭を今後いっそう盛り上げていくものと期待されています。
 









 

平成28年度卒業論文テーマ公募事業 成果報告会

2017年02月23日

地域連携委員長 志立 正知


2017年2月20日(月)に、平成28年度卒業論文テーマ公募事業の成果報告会が、湯沢市総務部ひびく・つながる創造課魅力創生班主査の藤原崇一さんをお迎えして、本学部第1会議室で開催されました。この事業は、本学部の地域連携推進事業の一環として平成22年度から始まったもので、今年度で7年目となります。
 本年度は湯沢市から提示された「高校生の地域活動がもたらす地元定着意識及び地域活性化効果について」というテーマに対し、地域科学課程生活者科学選修4年次の渡部孝太さんと、学校教育課程教科教育実践選修の進藤明音さんの2名の学生が、卒業研究として取り組んでくれました。渡部さん、進藤さんは、湯沢市から提示されたテーマに対して、それぞれ「地域都市における高校生の地域活動への参加が居住地選択の意向に与える影響―秋田県湯沢市を対象にして―」(指導教員:西川竜二准教授)、「地域活動がもたらす高校生の意識変容について―社会参画意識を高める地域活動―」(指導教員:佐々木信子准教授)という題目をかかげながらも、共通のアンケート用紙を用いて高校生の意識調査を行なうなど、連携しながら研究を進めてきていました。
 お二人の研究成果として明らかになったのは、高校生の中でも地域活動に積極的なグループが地元定着を志向する傾向が強いこと、地域活動への積極性は地域活動への高校としての取組みなどによって醸成される傾向があること、また参加した活動への満足度、得られた充実感などが大きく関わってくることなどでした。また、満足度・充実感は、高校生を受け入れる側が、一定程度高校生に責任や役割を分担させて、発言の機会や企画そのものへの参加意識を持たせてくれる場合に高いという結果も明らかにされました。そこから、地域活動のあり方そのものへの提言なども行なわれ、藤原さんも「今後の参考にしたい」と仰って下さいました。
 全体で1時間余りの発表会でしたが、水準の高さに武田学部長も感心され、質疑も当初の予定時間を超えて盛り上がりをみせた充実した会となりました。渡部さん、進藤さんの努力に心より拍手を送りたいと思います。また、ご指導くださった西川先生、佐々木先生、本当にありがとうございました。







 

附属小学校児童が国の予算作りに挑戦して未来を考える!

2017年02月03日

林信太郎(理数教育コース)


2017年2月2日,附属小学校では,財務省の財政教育プログラム授業が行われました。講師は財務省本省の広報室の佐久間寛道室長です。佐久間先生は麻生太郎財務大臣が会見を行うときには必ず横でサポートをしていますので,新聞の写真やテレビによく写っています。また,当日はサポートスタッフとして12名の方が東北財務局や秋田財務局からいらっしゃいました。受講者は6年生の3クラス全員です。
 事前の授業で公的サービスや国の財政の役割についてお話を聞いたあと,


講演する財務省の佐久間先生生

いよいよ国の予算作りのグループワーク(3〜4名)に入ります。さすがに○○兆円といわれても実感がわきませんので,100人の村の100万円の予算をつくることになりました。


真剣に予算作りに取り組む子どもたち

 この村には,国と同じく高齢者が多く,しかも借金がたくさんあります。子どもたちは真剣に悩みながら,「社会保障を大幅に減らすとお年寄りが困るから少しだけ減らすことにしよう」「それじゃあ,借金が減らないよ」などとつぶやいていました。まるで,みなさん本物の財務大臣のようでした。おもしろいことに各グループ,予算編成のビジョンがちがい,それぞれしっかりとしたコンセプトのもとに予算を編成していました。
 途中休み時間が10分あったのですが,子どもたちはその間も議論を続けています。たいへんな盛り上がりでした。また,この間講師の佐久間先生や財務省のスタッフは各グループをまわり,様々なアドバイスをしていました。本物の国の予算を作っている方からコメントがもらえたのです。
 30分のグループワークのあとは,子どもたちが考えた予算の発表です。それぞれの予算編成のコンセプトは,「国の借金を返すことを第一にしながらも,少子化対策を行い安心な社会を作る」「消費税を増やす代わりに社会保障費を増やし,お年寄りが困らないようにする」などです。「複合的な視点がすばらしい」と佐久間先生からお褒めの言葉をいただきました。発表とそれに続く質疑応答はまるで国会でのやり取りを聞いているようでした。


自分たちで作った予算を発表

 今回の授業の感想を6年生の皆さんに聞くと「バランスを取るのがむずかしかった」「こちらを減らすとあちらを減らさないといけないというところにとても悩んだ」など,国の予算作りの難しさを実感として学ぶことができました。6年後には選挙権を得て国民主権の担い手となる6年生のみなさんにとって,今回の授業は,たいへん重要だったと思います。また,難しい課題にグループで挑戦することで,社会的事象についてしっかりした考えを持つことができました。
 今回の授業にあたりましては,たいへん多忙な中,秋田までお越しいただき,授業をしていただいた佐久間寛道室長と,前日から準備に入られ,入念な準備を行ってくださった財務省スタッフの皆さんに深く感謝いたします。





 

大曲高校訪問-模擬授業による大学での学びの発信-

2017年01月23日

佐藤学(理数教育コース)



大学での学びを高校生に伝えるため,第1回模擬授業フェスティバルの最優秀賞,優秀賞の2グループが秋田県立大曲高等学校に出向き,模擬授業を発信してきました。
模擬授業を行った2グループの振り返りを紹介させていただきます。

「大曲高校訪問を通して学んだこと」
今回,大曲高校の皆さんの前で模擬授業を行ってみて改めて,授業というのは教師だけでなく子どもたちと共に作り上げていくものなのだと再確認することができました。というのも,発表前のリハーサル段階では高校生の皆さんに対してどのようにアプローチすれば楽しんでもらえるかと,自分達もつい最近まで高校生だったのにも関わらずグループ全員で非常に悩んでいたのです。しかし実際に授業が始まると,高校生の皆さんはとても明るく,真剣な表情で私たち大学生の話を聞いてくれている様子で,私たちは何を恐れていたのだろうか…と思ってしまうほどでした。授業をしていると,どうしても「何を伝えれば良いのか?」,「子どもたちは本当に分かってくれるのか?」などと不安ばかりが先走ってしまいますが,常に子どもたちの目線に立って一緒になって考えることが大切なのだと気付く良いきっかけになりました。今回の取り組みで,教師の仕事や秋田大学のことについて少しでも興味を持ってくれる人がいたら幸いです。最後に,私たち大学生にこのような機会と場を与えてくださった大曲高校の皆様,秋田大学の先生方に心より感謝申し上げます。
(教育実践コース3年次,中村光)

「大曲高校訪問を終えて」
高校生の頃を振り返ると,私は大学に進学するとどのような学びが待っているのかが全く想像できませんでした。今回の高校訪問によって,少しでも高校生のみなさんが大学生はどんなことを学んでいるのかが,ぼんやりとでもつかんでもらえたら幸いです。
高校生のみなさんにとって,「模擬授業」や「学習指導案」のような教育に関わる用語は馴染みがないと思ったので,前もって補足をした上で授業を参観して頂けるように気を配りました。加えて,小学生に対してどのような指導上の配慮や工夫をしているのかが分かるように,授業を観る際のポイントも事前に少しだけ説明をしてから授業の実演に移りました。
授業を実際に実演している間,高校生のみなさんは事前に配布した指導案と照らし合わせながら授業を観ていた様子が窺えました。普段とは違い授業を受ける側でなく,第三者の視点で授業を観るという経験は高校生のみなさんにとっても新鮮な経験になったかと思います。ぜひ,私達の授業の実演から,普段受けている授業がどのような意図をもって行われているのかについて少しでも考えるきっかけになればと思います。
(教育実践コース3年次,鈴木 公貴)











 

神岡小学校の6年生が秋田大学を訪問!「理科実験特別授業」を実施しました。

2016年12月28日

林信太郎(理数教育コース)


秋田大学教育文化学部理数教育コースの理科教員グループは,12月22日(木)大仙市の神岡小学校の6年生を大学に招き「理科実験特別授業」を実施しました。
この授業は,児童たちが理科実験を通じて大学の研究者らと触れ合うことで,理科・科学への関心や意欲の向上を図ることを目的としています。
神岡小学校の子どもたちは3つのグループに分かれ,13:00から90分の間実験を行いました。
第1実験会場は附属中学校校長でもある川村教一教授の「山をつくろう,川を作ろう」でした。


「山をつくろう、川を作ろう」の説明をする川村先生


細かな砂とココアパウダーで地層をつくり,それをぎゅっと押して山を作ったり,粒の大きさ毎に異なる色のついた特殊な砂で川の流れと砂の動きを再現する実験を行っていました。子どもたちグループで活発に話し合いながら実験を行っていました。子どもたちは「川の流れ方の予想はまっすぐだったけど,岸が削られて流れがかわった」「山の盛り上がる様子がよくわかった」と話していました。


川の流れの実験を観察しました


第2実験会場は河又邦彦准教授による「プラナリアを切ってみよう」でした。


「プラナリアを切ってみよう」で説明する河又先生


小さくて不思議な動物,プラナリアが餌を食べる様子を観察して,その後プラナリアをカミソリで切る実験をしました。切っても血の出ない,そしてそのまま生きているプラナリアの不思議を顕微鏡で観察していました。「同じ動物なのに人間とちがって再生するところが不思議」「ちょっとかわいそうな感じがしたけど切っても動いていてびっくりした」などの感想がありました。


プラナリアをカミソリで切ってみる


第3実験会場は田口瑞穂講師による,


「磁石の不思議」銅線トンネルの中で磁石を走らせる田口先生


「磁石の不思議」でした。間に物を置いても磁石はひきつけあうこと,磁石をハサミで切っても小さな磁石ができること,


磁石をハサミで切る


電池に磁石をつけて銅線のトンネルに入れると動き出す様子など,たくさんの磁石の不思議を体験しました。「手で引き離せない強い電磁石にびっくりした」などの感想がありました。


 

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