本格的な冬将軍襲来前の小春(?)日和

2013年12月06日

広報・地域連携推進委員会 篠原秀一


 12月3日は日差しの明るい、久しぶりに風も弱い、温かさを感じられる穏やかな一日でした。この2週間で強い風がさんざん吹き、構内のきれいな紅葉黄葉もすっかり地面に落ちて、時に風に舞います。青空に樹々の枝々が映えるような季節となりました。秋田市街地は、写真の秋田大学手形キャンパスと同様に、積雪はまだありません。
 3年生たちは就職活動が解禁となり、早ければ卒業研究を構想し始めます。4年生は卒業研究の追い込みです。1・2年生は授業をこなしつつ、興味ある専門分野をはっきり見つけて、自主的に勉強を深めているでしょうか。いずれにせよ、北国の冬は「春」を迎える「準備・蓄積」の時でもあります。








 

たくさんの小学生が大学の理科実験教室にやってきました。

2013年12月03日

人間環境課程自然環境選修 林 信太郎


 2013年11月27日の午前10時10分から11時20分まで,大仙市太田地域の3小学校(太田南小学校,太田北小学校,太田東小学校)の児童の皆さん52名を御迎えして理科実験教室を開催しました。教育文化学部からは「水よう液の性質実験講座」(自然環境選修,岩田吉弘教授・清野秀岳准教授),「4次元デジタルシアターと宇宙遊泳」(環境応用選修,上田晴彦教授),「火山はどうして爆発するの?ーコーラと麩でさぐるマグマの秘密」(自然環境選修,林信太郎教授)の3講座が提供され,児童の皆さんは3つの授業から一つを選んで受講しました。
 「水よう液の性質実験講座」では,7種類の水溶液を7本の試験管に入れ,酸性かアルカリ性かを虹色の万能試験紙で調べました。また,マローブルーという花の花びらのしるをそれぞれの試験管にいれ色の変化を調べました。真剣に実験に取り組む児童の皆さんの姿が印象的でした。
 「4次元デジタルシアターと宇宙遊泳」では,夏と冬の大三角形の説明の後,四次元デジタルシアターという宇宙空間を自分の好きな視点から眺められるソフトを上映して,銀河系などの説明をしました。ジェスチャーで映像を動かすことができるので,宇宙遊泳気分が味わえます。そのあと,児童の皆さんそれぞれに望遠鏡を作ってもらいました。なんと10分で完成。早速,中庭に張り出した惑星の写真をのぞいてみました。
  「火山はどうして爆発するの?ーコーラと麩(ふ)でさぐるマグマの秘密」は,火山が爆発する仕組みについて実験で学びました。コーラを使った爆発実験,実物の軽石や火山灰の観察,みそ汁などに入れる麩を使った火山灰実験などで,火山の爆発の仕組みや火山灰の飛び方を学びました。最後の質問コーナーでは,児童の皆さんが競って手を挙げてたいへんにぎやかでした。
 今回の理科実験教室は短時間の体験でしたが,大学の実験室という場で学び,大学の教授から直接指導を受けることで,理科への関心が高めることを目的にしました。校長先生のお話では,児童の皆さんは理科に強い関心を持ち始めたということです。将来、児童の皆さんが,秋田大学で学ぼうと思ってくれたら幸いです。


水よう液の性質実験


4次元デジタルシアター



手作り望遠鏡で観察


火山爆発実験


 

被災地の復興支援

2013年11月29日

地域科学課程生活者科学選修 池本 敦


 11月20日に盛岡市の岩手医科大学で開催された独立行政法人科学技術振興機構(JST)復興促進センターが主催する復興促進産学マッチングイベントに参加しました。JSTでは、東日本大震災・被災地の経済活性化や社会貢献を目的に、被災地からのニーズに対応した大学等の技術シーズを全国から集め、育成強化する支援事業を昨年度より行っています。大学での研究成果を活用し、被災地企業へ技術移転の上、実用化の促進を図り、被災地の復興を実現することを目指しています。


JSTによる復興支援のスキーム


 グリーンイノベーションの分野で農商工連携による6次産業化の実現に向けた高付加価値食品加工・流通技術の開発に関連する課題の中で、私たちが提案したプロジェクトも採択され、昨年度より研究を行ってきました。今回のイベントは、それらの成果を岩手県の企業に紹介し、事業化・製品開発へ向けた共同研究などの産学連携を促進するための有意義な機会でした。詳細は、以下をご参照ください。

[ 産学マッチングイベントのプログラム ]


 秋田大学からは私と産学連携推進機構の伊藤慎一コーディネーターの2名が参加し、被災地の未利用農産物を活用した健康食品素材の開発について、ポスター展示及びショートプレゼンを行いました。ご参加いただいた被災地企業やJST復興支援センターの方々と直接意見交換を行い、貴重なご意見をいただくことができました。今後、私たちの研究成果を被災地で事業化し、復興促進に貢献できるよう努力していきたいと思います。


ポスターセッションの様子


 一緒に参加しました伊藤コーディネーターは、この度、JSTの平成25年度イノベーションコーディネーター表彰「若手賞」に秋田県内で初めて選ばれました。大学と企業などが研究開発で協力する産学官連携の優れたコーディネーターに送られ、全国で受賞者4名という価値ある賞です。11月26日に、その表彰式が滋賀県立県民交流センター・ピアザ淡海で開催された全国イノベーションフォーラム2013で行われました。研究成果の実用化に向けて、研究費の獲得や特許出願、連携企業の開拓や交渉など、私たちも様々な面で伊藤コーディネーターにはお世話になっています。この場をお借りして、お祝・お礼を申し上げるとともに、今後のご活躍にも是非期待したいと思います。


秋田大学産・学連携推進機構・伊藤コーディネーター




 

“美郷フェスタ”で音楽教育講座学生がコンサートを開催しました。

2013年11月20日

学校教育課程教科教育実践選修 爲我井 壽一


 先月、10月26日(土)美郷町から依頼された美郷町の“美郷フェスタ”でのコンサートに学校教育課程音楽教育講座の学生が出演しました。参加した学生は22名、教員1名と地域創生課職員2名が同行しました。
 美郷町での音楽教育講座学生によるコンサートは今回で2回目です。これは昨年から秋田大学と美郷町による地域連携協定の一環として始まり、昨年は美郷中学校で合唱コンクールにゲストとして出演し“水のコンサート”を行いました。今年は町の公民館が会場で、400人収容の大きなホールで演奏が出来たことに学生たちは大喜びでした。 
 当日は朝9時に大学をバスで出発して美郷町に向かいました。到着後、控室で軽くリハーサルを行った後、11時30分からピアノ連弾、ソプラノ独唱、ピアノソロ、二重唱、フルート、合唱等のコンサートが始まりました。


ピアノ連弾


ソプラノ独唱



フルート


ピアノソロ


 会場は小学生、中学生、町民のお客様が来ていて盛況でした。学生は一週間前の10月20日(日)に大学祭演奏会で演奏していたこともあり、前回よりも落ち着いて演奏していたように見えました。アンコールでは会場に集まったたくさんの聴衆と一緒に「ふるさと」を合唱して大きな温かい拍手を頂き、学生も大変感激していました。美郷町の広報誌によると美郷フェスタの目的は「地域のふれあい」と「交流の輪」だそうですが、コンサートにいらしていた町民の方々からそのような想いや雰囲気が舞台にいる学生にも心地よく伝わってきて楽しく演奏会を行うことが出来ました。


コンサート会場


   合唱


 コンサートも無事に終えて、帰途バスで大学に向かう途中「全国名水百選」に選ばれている六郷湧水群の“ニテコ清水”と“御台所清水”を全員で見学しました。清々しい自然の景色に、心と体をリフレッシュすることが出来きました。今回のコンサートは多くの学生にとって、大学外でのコンサートのため緊張した中で本番に臨みました。しかし、美郷町の人々の温かい雰囲気に触れながらリラックスして十分に演奏することが出来ました。地域の人々に音楽を楽しんでもらいながらも、多くのことを学んだ実り多い1日でした。


ニテコ清水


御台所清水





 

ホップの6次産業化による地域活性化

2013年11月06日

地域科学課程生活者科学選修 池本 敦


 10月31日、横手市の第三セクターである株式会社大雄振興公社を訪問しました。同社は温泉宿泊施設「ゆとりおん大雄」の運営を担当する企業ですが、新規事業として特産食品の開発を展開しています。現在、最も注力されているのがホップ関連食品です。


ゆとりおん大雄


 横手市大雄地区で栽培が盛んなホップは、球花の部分が芳香・苦味成分としてビールの原材料に使用されていますが、葉の部分は未利用でした。この葉を有効活用し、乾燥・粉末化して茶飲料として開発されたのが「大雄ホップ茶」です。


ホップ葉と球花の粉末


大雄ホップ茶


 私たちの研究グループでは、商品の付加価値を向上させるために、ホップ葉の健康機能について共同研究を展開しています。これまでにホップ葉はポリフェノール含量が高く、抗ガン、免疫賦活、高血圧予防作用などの優れた生理機能を有することがわかり、現在は有効成分の分析を行っています。

 先日、東北農政局の岩本次長が同社を訪問され、同公社の齋藤顧問や鈴木取締役支配人と一緒に、これまでの開発経緯や研究の展開、事業の進捗状況などを説明しました。岩本次長からは、東北地域における「食と健康」セミナーに関する活動や機能性食品の表示に関する最新情報をご提供くださり、私たちのホップ事業についても大変建設的で有意義なご助言をいただきました。


会議の様子


 農家の高齢化による後継者不足のため、ホップ栽培の維持が課題となっている状況ですが、同公社では継続を断念したホップ園とノウハウを引き継ぎ、栽培も行っています。また、加工施設も整備し、製造から販売までを全て手掛けています。このように、1次産業の栽培、2次産業の製造、3次産業である販売を全て手掛ける事業形態を6次産業と最近呼ぶようになりました。1+2+3=6あるいは1×2×3=6という意味ですが、複数の事業者で協力して行う場合には、農商工連携と呼ぶこともあります。

 地域特産の農産物をそのまま出荷するのではなく、製造・販売まで手掛けることで新たな雇用が創出されますし、健康機能などの付加価値を商品に付けることができれば、経済的利益も拡大します。


ホップ葉粉末を活用した麺類


 現在、ホップ葉粉末を活用した茶飲料以外の食品の開発も検討されており、麺類やパンなどへの活用が検討されています。私も試食しましたが、ホップの爽やかな香りとほのかな苦みが加味され、とても美味しく仕上がっていました。これらに健康機能を付加して、ホップ関連食品が拡大するように研究面で協力してきたいと考えています。


ホップ葉粉末を使用したうどん


ホップ葉粉末を使用したパン

 

スタージュ・オータムキャンプが開催されました。

2013年10月30日

集団討論の練習

 

就職委員会 委員長 林 信太郎


 来年夏の教員採用試験を目指して,10月25日から26日に秋田県教育委員会の総合教育センターで,スタージュ・オータムキャンプが開催されました。参加者は,3年次の教職希望者41名,採用試験に合格した4年生の先輩がアシスタントとして11名,指導に当たる教員が19名でした。
 大学の授業終了後,バスで移動し,総合教育センターの研修室へ。開校式の後,「教員の職能成長と教員研修」というタイトルで秋田県総合教育センター所長の伊藤成年氏からお話を伺いました。18時30分からは夕食。かなりボリュームのあるトンカツ定食。その後,レクリエーションと姫野完治先生の指導による教員採用試験に関する下調べのグループワークなどが続きました。学生交流時間,入浴などの後,23時には就寝。
 翌日は7時30分に朝食。8時30分から秋田県教育庁の教育専門監の白山雅彦氏から「求められる教師になるための心構え」という講義をしていただきました。保護者やこどもから求められる教師像や秋田県の「学校教育の指針」についてわかりやすくしかも熱のこもったお話をしていただきました。次に障害児教育講座の藤井慶博先生から「教員採用試験の中身を学ぼう」というタイトルで筆記試験や集団討論を体験してみました。集団討論では「しつけ」をテーマに4年生の合格者たちが模範の集団討論(きちんとかみ合った討論をしてさすがだと思いました),その後,「学校教員に必要な資質・能力」をテーマに受講生を8グループにわけて集団討論を行いました。面接官役は学部の先生と先輩の4年生です。はじめての集団討論にしてはスムーズに自分の意見を述べている学生が多いのが印象的でした。
 最後に閉校式を行い,学部長から「今回のオータムキャンプで得た成果を元に今後教員としての自己開発を行ってほしい」「集団討論に備えて意見をわかりやすく伝えること,論点をきちんと整理すること,普段から様々なニュースにアンテナをはっておくことなどを実践してほしい」との講評がありました。このようにして11時50分にはずべての日程を終了して帰りのバスに乗り込みました。
 今回のオータムキャンプを受講した学生からは「とてもやる気が出ました。来年にむけてがんばりたいと思います」,「過去問が全くできなくて危機感を感じた。これからがんばります」,「自分の考えを説得力のある形で表現する方法を身につけたい」,「教員に向いているかどうか悩んでいたが,仲間や先輩の話を聞いているうちに教員になりたいという気持ちが強くなった」などの感想が出ていました。今回のオータムキャンプでは,1年後の採用試験に向けてモチベーションを高めることができました。また,教員の資質を高めて行く方向性についても,参加した学生に理解していただけたと思います。来年の教員採用試験に向けて,がんばっていただきたいと思います。

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